【松田陣平】死んで花実が咲くものか

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「へぇ、私のほうが歳上なんだ？」




白い肌にくっきりとした二重線、長いまつげ、ぷっくり膨らんだ可愛らしい涙袋。


どう見ても俺より歳上にしか見えないくらい童顔だ。




「じゃあ、私のほうがお姉さんだから困ったことがあったら何でも頼ってね」



俺の目をじーっと目を見つめ、嬉しそうに目を細める彼女。




「………別に困ってねえし」



「くく、素直じゃないねえおにーさんは」



「つーか俺の方が歳下なんだからお兄さん呼びすんな」



「いいじゃない、私が好きでやってるんだから」





ね？お互いこれから仲良くしようよ！と手を握り、細くて白い指で俺の手を撫でる。




「これからっつっても、俺もう退院だぞ」



「え？嘘、いつ退院？」



「あと一週間」




一週間、という言葉に反応しぴくりと肩が揺れる。




「……そっか、一週間か」


「おう」


「でも一週間も(.)あるじゃん！」


「………一週間しか(. .)、だろ」





そうかなぁ、一週間って割と長いよ、なんて言う彼女。コイツのポジティブさは見習いたいところである。






「じゃ、あと一週間。よろしく」






にこりと微笑み、ぎゅっと俺の手を両手で握る。



まあいいだろう。一週間だけの付き合いだ。それに入院生活にも飽きていたところだし、コイツと関わるのも悪くないのかもしれない。





「……ああ、よろしく」





俺は白くて小さい手をぎゅっと握り返した。

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