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ym side
正直怖かった。
また同じことが起こるんじゃないかって。
俺は人殺しだってずっと自分を責めてきた。
でも大ちゃんは……違った……。
真っ直ぐに俺を見て、俺を肯定してくれたんだ。
それだけで今まで自分が背負ってきた重荷が少し軽くなった気がした。
大ちゃんとなら……運命も変えられるかもしれない…。
自分でもびっくりしたけど、少しだけそんな気持ちが自分の中に芽生え始めていた。
山「分かった…。ありがと、大ちゃん。」
でもやっぱりすぐに承諾することはできなくて、少し時間をもらうことにした。
大「お前、帰るとこある…?」
山「へ……?えっ…と…………。」
忘れていた。俺は自分の家がないのだ。
大ちゃんと同棲を始めた時に引き払って、同棲中の家を出たあとはずっと伊野尾ちゃんの家に居たんだから。
ネコとして過ごすのもいいけど、やっぱり人間としての生活の方が居心地が良かった。
大「無いならここに居ろよ。友達として…。な……?」
山「いい…の………?」
大「当たり前。」
やっぱり大ちゃんは優しいな。
大「どした?眠いか??」
山「ん…………。」
なんか安心したら眠たくなってきたな…。
大「色々疲れたよな。おやすみ、山田。」
俺はソファの上で隣に座る大ちゃんの肩にもたれかかるようにして目を閉じた。
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2020年5月4日 20時