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光「いらっしゃい。あれ?お友達?」
高「いえ、俺の後輩です。」
大「有岡大貴です。よろしくお願いします。」
光「あぁ、そうなんだ。俺は店主の八乙女光。よろしくね。」
恐る恐る先輩の後をついて店の中に入ると、お店の名前通りに店内は凄く綺麗で、店主の方もすごく優しくてキラキラしていた。
光「何にする?」
高「俺はマンハッタンで。」
大「えと…じゃあ俺も同じので。」
光「はいよ。あ、どうした?お腹空いたか?」
光さんがカクテルを作ろうと棚に向かった時、店の裏から1匹の犬が出てきた。
高「あれ、光さん犬飼ってたんですか?」
光「あー、この子ね、最近うちに迷い込んで来たんだよね。飼い主も分からないしここで面倒見ようかなって。」
高「へぇ……。そういや俺のとこにも最近ネコが来たんですよ。伊野尾くんが拾ってきたみたいで。」
光「あ、そうなの?それは聞いてなかったな(笑)」
どうやら最近来た犬らしく、高木先輩も知らないみたいだった。
高「あ、そうだ。光さん、この子の彼女が居なくなっちゃったらしいんですよ。手がかりも全然掴めてないらしくて…。」
光「あれ、そうなの?いつから?」
大「3日前…です………。」
光「3日か……。喧嘩でもしちゃった感じ?」
大「はい…。俺が嫉妬しちゃって。会社も辞めちゃったんですあいつ。」
光「そっかぁ…。それは心配だね…。どんな子なの?」
大「あいつは優しくて他人思いで、いつも自分のことは後回しにして周りのことを考えてくれるやつです。俺が怒っても自分のせいだって責めたり、絶対人のせいにはしないんですよ。だからまさか出て行くとは思いませんでした。結局俺もあいつに甘えちゃってたんでしょうね…。うわっ…!?」
少し俯いていると、光さんの犬が俺の方に寄ってきて顔をぺろぺろ舐めてくれた。
光「人間誰しも失敗はするもんだよ。見つかるかは分かんないけど…もし見つかったらその時はちゃんと謝りな?きっと許してくれる。はい、マンハッタン。」
高「ありがとうございます。」
大「ありがとうございます…なんか光さんって不思議ですね。ちょっと気持ちが軽くなった気がします。」
高「だろ?光さんってなんかすげぇんだよ。」
光「なにそれ(笑)なんか恥ずかしいなぁ…。」
光さんのおかげで少し気持ちが落ち着いた。
俺は残りのモヤモヤを消すようにマンハッタンを勢いよく口に流し込んだ。
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ゆゆ(プロフ) - 愛ingJUMPさん» ありがとうございます!! (2020年4月23日 21時) (レス) id: e63eabe0a0 (このIDを非表示/違反報告)
愛ingJUMP(プロフ) - ゆゆさん» 全然大丈夫ですよ!どういたしまして!応援し続けます! (2020年4月21日 22時) (レス) id: 821ef3672a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 愛ingJUMPさん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。嬉しいお言葉ありがとうございます!!自分なりに精一杯書かせていただきますのでこれからも応援の程よろしくお願い致します。 (2020年4月21日 21時) (レス) id: e63eabe0a0 (このIDを非表示/違反報告)
愛ingJUMP(プロフ) - ゆゆさん» Twitterの方から飛んできました!! このお話とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年4月18日 13時) (レス) id: 821ef3672a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - やまたかさん» ほんとにありがとうございますm(_ _)m (2020年3月19日 22時) (レス) id: e63eabe0a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2020年3月4日 11時