アネモネ sho.sakurai (ページ3)

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「こんにちわ、本社から来ました、櫻井です。」

辺りは女子社員の歓声に包まれている。

「こちらに居る、早野さんを迎えに来たのですが…」

すると、女子社員の目が、鋭く光、私の方を見た。

『へっ、私なんかした？、あっそういえば早野って私か….あっ、はい、私が早野ですが』

そう言ってドアの方へ向かう。

櫻井さんという方も、近づいてきて、

「さっき、エレベーターで、一緒に乗っていた方ですよね？」

ふいに櫻井さんが聞いてくる。

そう言えばそんなこともあったなとおもいだす

『はい、あの時のハンカチの方ですよね笑』

「その節はありがとうございました笑」

櫻井さんも笑って返す。

「もう、準備は出来ましたか？」

『はい、あとは、部長に挨拶するくらいかなと思っているのですが…』

「では、最後の挨拶をしてから、本社へ向かいましょう。」

ということで、部長に挨拶を済ませて、荷物を持って、エレベーターに乗る

『その、荷物持ちましょうか？、っていうか、持たせてください笑』

「じゃあ、お言葉に甘えて」

－細かな気遣いまで出来るなんて、この人は紳士的すぎるだろっ－

っと、ツッコミを心の中で入れながら、話題を探す

空気が重くなる前に口を割る。

『そう言えば、櫻井さんって今何歳なんですか？』

「あぁ、俺30だよっ」

んっ、なんか口調が変わったような…

まっ、気のせいか

気を取り直して次の質問をする。

『本社に行っても、私の部署の名前は変わらず、企画営業部ですよね？』

「そうだけど、お前ちゃんと部長さんから話聞いてたのか？」

…………

あれ、聞き間違いかっ？

お前って言われたような… いや、空耳か？

「お前俺の態度が変わったって思ってのかもしれないけど、ホントの俺これだから」

「いちいち、俺の言葉遣いに惑わされんなよ。あと、話が全部理解できないくらいなら、メモでも取ってみたら( -ω- `)ﾌｯ」

ｶﾁｰﾝ

なんだこの人、さっき見た紳士的で爽やかな人と同一人物とは思えない。

しかも、いじってくるとは…、ドSか？

『あの、これでも社会人6年ぐらいやってるんで、メモ取らなくても大体は理解出来ますー』

「そうか、そんなに自信があるのか、楽しみだな本社での、お前の活躍。」

そう言って、ﾆﾔﾘと微笑むと、エレベーターがロビーに着いた。

櫻井さんは黒い笑みを残して、先に出ていった。

私も急いで追いかける。