触れない、触れられない

何も ページ25

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『何も無い』って言い返したけど
涼太は納得いかない顔をして
結局、お昼休み 2人で屋上にいる。





「で？」


『･･･は？』


「なんかあったんでしょ」


『だからなんも無いって』


「じゃあなんで亜嵐くんはいつもの亜嵐くんじゃないの？」


『･･･え？』


「今日の亜嵐くんはいつもみたいに能天気じゃない」


『･･･』


「･･･知ろうと思えば、力ずくで知れるんだけど」


『･･･どういうこと』


『･･･そもそも、なんでそんなに知りたがるの』





亜嵐が私のことを好き。


素直に涼太に言えないのはなんでなんだろう。


涼太がルリに言っちゃいそうだから？
ううん、涼太に限ってそんなことしない。

じゃあ、･･･なんで、





「今日の放課後、ちょっと出かけない？」





･･･質問の答えになってないし。


何かを企んでるようにニコニコ笑う涼太に
不信感を抱きながらも
『少しだけなら』と返事をした。









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