触れない、触れられない (ページ22)

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ずっとページ22

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｢また明日｣

『うん、じゃあね』

今日は前の学校で仲良かった先輩と遊びに行くって
先に帰っていった涼太。

すごく楽しみなんだ、って言ってたけど
どんな人なんだろう。

ルリと亜嵐は今日も部活。

久しぶりに一人で帰るなあ。
ちょっとだけだけ寂しい。

｢ねえ、ちょっといい？｣

『･･･エリカ、』

エリカ｢掃除当番代わってくれない？｣

『私急いでるし、当番は当番なんだから自分でやりなよ』

エリカ｢はあ、なんでこんなやつが｣

『え？』

エリカ｢なんであんたみたいな人が片寄くんと付き合えるのよ！｣

『っ、』

エリカ｢どうせあんたから言い寄ったんでしょ？｣

『それは違う。エリカに私たちがどう見えてるかは分からないけど、嫉妬してるなら素直にそう言えばいいじゃない』

エリカ｢っ、！｣

『私は･･････私はまだ涼太のことを全然知らない･･･』

エリカ｢･･･何が言いたいのよ｣

『･･･エリカには涼太の全てが分かるっていうの？』

エリカ｢･･･調子に乗らないで｣

それだけ言ってホウキを置いて
教室を出ていったエリカ。

掃除サボっても
ホウキだけは片付けてよ。

そう思いながら
ホウキを取ろうとしゃがんだ瞬間
廊下からガシャンって音。

振り向くと
教室の入口で立っていた亜嵐。

｢ごめん、忘れ物取りに来たんだけど｣

『いいよ、別に』

｢お前と涼太、本当に付き合ってんの？｣

『･･･どういうこと？嘘なんてつかないでしょ』

｢だってさっき、何も知らないって｣

『っ、･･･』

｢なんか隠してんだろ｣

『･･･何も隠してない』

｢嘘。これでも高校入ってからずっとAのこと見てきたんだけど｣

『･･･』

｢涼太の言いなりで付き合ってんだったら別れろ。｣

『だからそんなんじゃ、っ』

そんなんじゃない。

そう言い終わる前に
ぐっ、と腕を引かれて
気付けば亜嵐の胸の中。

早い心臓の鼓動が聞こえてくる。

｢･･･ずっと、ずっと好きなんだよ、Aのこと｣

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