触れない、触れられない (ページ20)

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楽しいページ20

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「･･･やっぱり私、涼太くんのことが好きで、」

もう、私ってば。

亜嵐もルリも部活で
やっぱり一人で帰るのは少し寂しいっていうか
涼太のことも気になるというか。

勝手に進んでいた足は
前も涼太が告白されていた場所。

あのときも
ここでこうやって盗み聞きしてたな。

「･･･私じゃダメ？」

涼太「俺、君と話したことあんまりというかほぼない気がするんだけど、俺のどこが好きなの？」

「っ、それは、」

涼太「知ってると思うけど彼女いるから」

･･････。

私も声が出ないほど
ばっさり振る。

涼太の言ってることは正しいけど
もっと優しい言い方できないのか、あの人は。

『っ、！』

涼太「へえ～、盗み聞きねえ～」

足音が近づいてきたと思ったら
目の前にひょこっと姿を現した涼太。

･･･絶対私がいること気づいてたじゃん。

『･･･ちょっと待ったら一緒に帰れるかな、って思って』

涼太「嘘だね」

『はあ？』

涼太「本当は気になってたんでしょ。来ると思ってたよ」

『だからって、あの言い方は』

涼太「Aがもっと彼女らしくしてくれないからだよ。信用されてないからこうやって告白される。Aじゃなくて私の方が！って思われちゃってるんだよ」

『あのねえ！』

涼太「触れない。そう決めたのは俺。」

『･･･』

涼太「俺が何しても、何言っても動揺しないでね」

責めるだけ責めて
最後は自分にもってくなんて
ほんとにずるい性格。

「ほら、帰るよ」って先を歩いていく涼太に着いていく。

本当は少しだけ楽しいんだ。

こうやって涼太と過ごしてる毎日は。

涼太「何笑ってんの」

『は？』

涼太「なんだかんだ楽しいんでしょ？笑」

『っ、そんなこと！』

涼太「俺も楽しいよ」

･･････どこまでもずるくて憎めない。

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