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縁のないもの ページ10

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ある日のお昼休み


街を歩いて 適当に見つけたカフェでランチ。

コーヒーにフルーツトースト。

こういうお昼もありかも、なんて窓ガラスから外を眺める。


街中は男女が手を繋いで仲良さそうに歩いている。


" 恋 "


これだけはこれまでの人生、私が1度も経験したことないもの。

幼稚園から 小中高、大学でもなんにもなかった。

大学を卒業して、カフェで働くようになってから、隼くんに出会って 初めてわかった 恋というもの。

人を好きになったことはないし、今もないし、これから先もない。

ただ、隼くんを見てると 毎日がキラキラしてて楽しそうなんだ。恋って。

隼くんは私を好き。私は隼くんを好き?
ううん、彼はお客さん。

この世の中、難しいな、なんて。





恋なんて私には縁がないもの。





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『戻りました〜、あ、隼くん!』


隼「わ、Aさん!お久しぶりです!」





いつもの席に座る隼くん。

エプロンをつけて 私もカウンターに入る。

この席、最近は龍友さんが座ってたから 隼くんが座ってるの、なんか久しぶりで、なぜか懐かしくて嬉しくなる。





『そうだ、ねぇ、隼くん?』


隼「ん?なに?」


『この花、なんていう名前か知ってる?』


隼「それ、気になってた!」


『綺麗でしょ?アマリリスっていうの。』





頬杖をつきながら きれい、と呟く隼くん。

ちょんちょん、と花びらをつついたり、匂いを嗅いだり。





『アマリリスの花言葉は、おしゃべり。なんか隼くんみたいだな、って思わず買っちゃったの』


隼「え、」





その場で 固まってしまった隼くん。

あれ、私変な事言ったかな?





『・・・はやと、くん、?』


隼「・・・俺みたい?」


『・・・うん』


隼「この花見た時、俺だって思ったの?」


『うん』





そして、ぱぁっと明るくなる彼の表情。





隼「へへへ、嬉しい。ありがとう、Aさん。今日はいつもより大好きです!」





最近、頭の中に隼くんがいることが多くなったよ。

なんて、いうのはやめておこう。

そう思った。


コロコロ変わる隼くんの表情。

私を見たり、アマリリスを見たり、

たまにコーヒーを飲んでおいしいって呟いて。

隼くんと一緒にいたら毎日飽きないんだろうな。





" 恋 "


意外と無縁なものじゃなかったりして。









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くるみ。(プロフ) - 彩華さん» わー!ありがとうございます! (2020年4月16日 9時) (レス) id: dcb2ebda86 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 早速読んじゃいました!アマリリス(^_^)こっちもとっても素敵なお話でした!続編楽しみです! (2020年4月16日 5時) (レス) id: 303c26c9ac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ。(プロフ) - 愛さん» あらあら笑 (2018年12月26日 20時) (レス) id: dcb2ebda86 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 北人くんともくっついて欲しくなりました(笑) (2018年12月26日 2時) (レス) id: d15d3a289f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるみ。 | 作成日時:2018年9月12日 5時

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