アマリリス (ページ17)

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違うページ17

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『･･･でか、』

私の目の前に建つビルは隼くんの事務所、LDH。

「Aちゃん差し入れ持って行ってあげてくれない？」

なんて哲也さんにお願いされるもんだから来てしまった初めての場所。北人くんは壱馬さんと陸さんと用事があると今日はお休み。居たら絶対北人くんに頼んでた。

勇気を振り絞って自動ドアを抜ける。

『すみません、GENERATIONSの皆さんに差し入れを持ってきました。』

袋に貼ってあるカフェのパッチを見せると、哲也さんのカフェですね。と場所を案内された。

「ここの先を真っ直ぐ行った所にリハーサル室1があります。そちらにメンバーさんがいらっしゃると思います。」

『･･･ありがとうございました』

恐る恐る進める足。
哲也さんは毎回ここに一人で来てると思うと偉大な人に思えてくる。

廊下をちょこちょこ歩いていると目の前に見覚えのある人影が見えた。

私が足を止めると人影が小走りで駆け寄ってくる。
そして、その人は私の手を引いて近くにあった部屋に入った。

その瞬間、私の背中には壁。横には伸びた腕。

『･･･龍友、さん、？』

「･･･なんでここにおるん？」

『･･･コーヒーの差し入れを、』

私の目の前に立つ龍友さん。いきなりのことに頭が追いつかない。どうして今こんな体制なの･･･？

『あの、龍友さん、』

「･･･なに？」

ぐっ、と近寄った龍友さんの顔。
恥ずかしくなって目を逸らすと頬に当てられた手で元に戻されてしまった。

私の首元に顔を埋めると少し痛みがはしった気がした。

「･･･コーヒーのいい匂いする」

『･･･私から、ですか？』

「おん。Aちゃんの匂いもする」

パッ、と私から離れるとさっきの顔とは全く違ういつものニコニコの笑顔に戻っていた。

「差し入れ、待っとるな」

部屋から出ていった龍友さん。
がちゃん、とドアの閉まる音がして1人残された私。

今まで見たことなかった龍友さんの表情。
なんか男の人だったな、なんて。
恋愛もろくにしてこなかった私の人生に今日起こったことは衝撃が強すぎる。

･･･よし、気持ちを落ち着かせる為にも隼くんに会いに行こう。

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