検索窓
今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:67,301 hit

ホワイトデー ページ44

.









あの日。
私がお客さんとして来ていた男に襲われそうになった日。
隼くんが助けてくれたあの日。

あの後 隼くんはお仕事でゆっくり話すことが出来なかった。

そんな今日は隼くんとお出かけ。





『おはよう、隼くん』


「おはよう、Aさん」





最近の隼くんは敬語が抜けてきて
タメで話すことが多くなった。

久しぶりに隼くんに会えたのも嬉しいけど、
タメ口になってきたことさえも嬉しく感じる。

最近の私はちょっと変だ。





『今日はどこに行くの?』


「んー、内緒かな」


『ふふっ、楽しみにとこーっと』





隣を歩く隼くんが何も言わずにそっと手を繋いでくる。

目が合うとニコ、って笑ってくれた。


その表情は無邪気で でも少し大人っぽくて。

私は滅多にテレビなんか見ないからわからないけど
きっとファンの子からしたら私ってすごいことしてるんだろうな、なんて考えてしまう。





「ねえ?」


『ん?』


「この間、酔ってたAさんを俺が迎えに行った日」


『・・・その説は大変お世話になりました、』


「・・・その日、Aさんが俺に言ったこと、覚えてる、?」


『・・・ごめん。あの日、私相当酔っちゃってたみたいで、隼くんに送ってもらったこともあやふやなの。だからなんて言ったかなんて覚えてないや・・・。』

『・・・私、なんて言って「着いた!」





なんて言ってた?


そう聞きたかった私の言葉は遮られ
隼くんの指をさす方に目を向ける。





『・・・海、!』





太陽の光が水面に反射してきらきらひかる

砂浜に押し寄せる波の音が気持ちいい。



もう春の陽気を感じる3月半ば。

太陽のあたたかさと海風が心地いい。


もうすぐ春が来るな、なんて考えて。

桜が咲いたら隼くんとお花見したい、とか、
コーヒーは隼くんが淹れて、私がお弁当を作って、とか。

私の頭の中は隼くんでいっぱいだ。





「Aさん、海好き?」


『うん、好き!』





よかった。


そう微笑む隼くんにまたひとつ惹かれていく。





「ちょっと座って話そう?」






握った手はそのまま、
岸に上がっていた丸太に二人並んで腰掛けた。









.

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (86 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
260人がお気に入り
設定タグ:小森隼 , 吉野北人 , GENERATIONS
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

くるみ。(プロフ) - 彩華さん» わー!ありがとうございます! (2020年4月16日 9時) (レス) id: dcb2ebda86 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 早速読んじゃいました!アマリリス(^_^)こっちもとっても素敵なお話でした!続編楽しみです! (2020年4月16日 5時) (レス) id: 303c26c9ac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ。(プロフ) - 愛さん» あらあら笑 (2018年12月26日 20時) (レス) id: dcb2ebda86 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 北人くんともくっついて欲しくなりました(笑) (2018年12月26日 2時) (レス) id: d15d3a289f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くるみ。 | 作成日時:2018年9月12日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。