【ヒロアカ】わかりあえない【トガヒミコ】 (ページ1)

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深夜3じページ1

「待って⋯！来ないで⋯！たすけ⋯」

隣で首元がぐしゃぐしゃになった友人と、血濡れのトガちゃん。

どうしよう、隠さなきゃ、隠さなきゃ、はやく。

ツンと鼻をつく鉄臭い匂いとハンカチにじわじわと染まっていく朱色。

段々視界が霞んでプツンと意識が途切れた。

「⋯ごめん、起こしちゃって。」

握った手がびくりと震えるのに驚いて目を覚ます。

手の主、Aちゃんの目元には涙の跡があって、寝起きで回らない口を開く。

「…大丈夫ですか？」

無理矢理笑顔を貼りつけるAちゃんと、昔の自分を重ねる。

みんながダメだという私に居場所をくれた大好きな人だから、私もAちゃんが安らげる居場所になりたい。

もぞもぞと布団から手を出して目尻に溜まった涙を拭ってあげた。

しんしんと夜の静かな冷気が肌に滲みて、Aちゃんの温かさをより強く感じる。

「私にはわかんないかもですけど、大好きなAちゃんの気持ち、聞きたいです。」