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ゆっくりと静かに閉まるドア。
カチャッと鍵をかけた音がした瞬間、背中に温もりを感じて、耳もとには唇の感触がした。
後ろから首もとに腕をまわして、登坂課長は私を抱きしめた。
耳にキスを落として私の頬に手を添えたかと思うと、グッと横へ向かされた。
「……んっ、」
大人しく目を閉じて、課長のキスを受け止める。
啄むキスを繰り返して、じわじわと疼くカラダ。
柔らかい唇を押しつけて、私の唇を挟んで、じっくり味わうような、色気のあるキス。
私はこのキスが、登坂課長とするキスが、たまらなく好き。
気持ちよくて腰が砕ける私を、腰にまわした腕で支えてくれる。
この部屋に入ってまだ数分。
登坂課長と二人だけの甘い空間が私の全神経を痺れさせていく。
「………シャワー浴びてもいい?」
唇が離れた隙にそう口にしたけれど、すぐにまた塞がれて。
「………どんだけ待たせんの。」
キスをしながら課長は少し怒ったような口調で話す。
冷ややかな声もセリフも、全部が刺激となって私の胸をキュンとさせる。
課長が待っていたのが私自身じゃなく、カラダだとしてもそれでいい。
誰もが手にしたい男に待たれて、こうしてキスをされて、カラダを重ねられるのだから。
この時間だけは、私だけの彼。
誰も知らない課長の夜の顔を私はひとり占めできるのだから、この優越感からは抜け出せない。
「………シャワー浴びんなら俺も行く。」
私の手を引いてパウダールームへと入っていく課長。
くるりとこっちを向いたと思ったら、私のカラダを持ち上げて洗面台にそっと下ろした。
カラダを挟むように手をついて、至近距離で私を見つめる。
「………課長?」
シャワー浴びに来たんじゃないの?
「……1回ヤろ。」
「でも……」
躊躇う私の太ももに片手を這わせて、その手は徐々にスカートを捲り上げていく。
「……んっ」
ゾワッとする擽ったさに思わず声を漏らすと、課長はニヤリと笑って。
「お前だって早くシたくてしょうがないんじゃないの?」
スカートの中の指が触れた。
「こんなんにしといて我慢できんの?」
「…………でき、ない。」
カラダは嘘をつかない。
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mxxchqn(プロフ) - 大好きです!頑張ってください(*゚▽゚*) (2018年12月1日 1時) (レス) id: 448d83b4a9 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - omikoさん» コメントありがとうございます。2章が始まりました。ぜひ読みに来てくださいね。まだまだこれからです(^^) (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あゆはさん» あゆはさん初めまして。コメントありがとうございます。タイトルまで気に入っていただけて感激です。岩ちゃんグイグイ来てますからね〜次は何を仕掛けてくるのかな?また2章も読みに来てくださいね。 (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんはそうだろうなぁと予想してました(^^)隆二をお楽しみに! (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あいさん» 初めまして。コメントありがとうございます。2章もぜひ読みに来てくださいね。まだまだ楽しんでもらえるように頑張ります。 (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くるみ | 作成日時:2018年7月15日 22時