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岩田くんの背中に腕を回そうと手を伸ばしかけて私は重大なことに気がついた。
今私たちがいるのはお店の中の通路。
背中にある壁の向こうにはお料理を楽しむ人がいる。
その中に……臣もいる。
お手洗いに行くと言ってからどれくらいの時間が過ぎたんだろう。
……ヤバいかも。
「い、岩田くん……もう…」
��戻らなきゃ��と言った私の声は、たぶん岩田くんには届いてないかもしれない。
私よりも低くて冷たい声が彼の耳には聞こえてたんだと思う。
「そんなとこで何してんの。」
臣の声だけが。
「……見つかっちゃいましたね、Aさん。」
抱きしめたまま岩田くんは私を見てにこりと笑った。
一歩一歩静かに歩み寄ってくる臣を気にもとめず余裕の表情で。
私は臣の眉間に寄った皺を見てビクビクと怯えてるっていうのに。
「この続きはまた今度だね。また連絡するから。」
おでこにキスをして岩田くんの手は私から離れていった。
呆然と立ち尽くす私を残して臣の横を通り過ぎようとする岩田くん。
「岩田くんだっけ？」
臣は顔を横に向けて話しかけた。
けど視線は床にあって岩田くんとは目を合わさない。
「お久しぶりですね、登坂さん。撮影の時はお世話になりました。」
「こいつとどうなろうと俺には関係ないけど、君は自分の立場をちゃんと考えた方がいいよね。」
「なにが言いたいんですか？」
「変なことにAを巻き込むなってこと。」
「わかってますよ。その時は俺がAさんを守るんで心配ないですよ。」
岩田くんも臣の顔を見ることなく店内に戻っていった。
「……明日もあるからもう帰るぞ。」
「………はい。」
会計を済ませて二人でタクシーに乗り込んで私の家を目指した。
特に会話もないまま窓からネオンだけを眺めてた。
��こいつとどうなろうと俺には関係ない��
あの言葉が頭をぐるぐると巡って、耳にこびり付いて離れない。
本当に私のことはこれっぽっちも好きじゃないんだって……悲しくて、虚しくて。
零れ落ちそうな涙をこっそり指ですくった。
「また明日な………おやすみ。」
それでも私は臣が好きで、片時も離れたくなくて。
「…………帰らないで。」
玄関の前で背中を向けた臣の腕を掴んですがり付いて。
どうしようもなくバカな女。
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mxxchqn(プロフ) - 大好きです！頑張ってください(*ﾟ▽ﾟ*) (2018年12月1日 1時) (
レス) id: 448d83b4a9 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - omikoさん» コメントありがとうございます。2章が始まりました。ぜひ読みに来てくださいね。まだまだこれからです(^^) (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あゆはさん» あゆはさん初めまして。コメントありがとうございます。タイトルまで気に入っていただけて感激です。岩ちゃんグイグイ来てますからね〜次は何を仕掛けてくるのかな？また2章も読みに来てくださいね。 (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんはそうだろうなぁと予想してました(^^)隆二をお楽しみに！ (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あいさん» 初めまして。コメントありがとうございます。2章もぜひ読みに来てくださいね。まだまだ楽しんでもらえるように頑張ります。 (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ
| 作成日時：2018年7月15日 22時
