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すぐに健ちゃんのお店を出て定食屋さんを目指して歩いた。
携帯で時間を見ればもう正午を過ぎてて。
休日ももう半分が終わっちゃったんだと。
その半分を寝て過ごしたなんて若干損した気分になる。
時間に追われるようになったのは大人になってから。
一日、一時間、一分が大事だと気づく。
仕事でも恋愛でも、ムダな時間は一秒たりともなくて。
三十歳目前の女の人には特に。
余裕なフリをして、実は周りの変化に焦りを感じて生きてたりするもの。
「なんか意外。」
「意外？」
「よく来んの？この店。」
「健ちゃんのとこ行くついでに寄るくらいだけどね。」
「A一人で？」
「一人でも余裕で入っちゃうよ。」
「マジで！？俺でも無理なんだけど。」
健ちゃんのお店からすぐの定食屋さん。
店構えを見た隆二は、��えっ、ここ！？��って少々引き気味だった。
中に入ってからもずっと店内をキョロキョロ見回して、未知の世界にでも来たように挙動不審。
まぁ、それはしょうがない。
５０年も続くこのお店。
ご主人を亡くされたおばぁちゃんが、たった一人で切り盛りしてる。
ボロボロに色褪せた暖簾に、シミのついた椅子。
木製のテーブルもコーティングが剥がれて、一言で言えば小汚い見た目。
けれどおばぁちゃんが作る料理はどれも家庭的な優しい味で、何度もむぎ茶を注いでくれるおばぁちゃんの笑顔はあったかくて。
私はこのお店が大好き。
だから、隆二にも教えたかった。
自分の好きなもの、好きな場所。
共有できたら、今よりも楽しくなると思って。
……不思議。
臣にすらこんな感情は湧かないのに。
所詮カラダだけの薄っぺらい関係だから。
心が繋がることが怖いのかな。
思い出の場所、なんて、作れない。
「うまっ！これめちゃくちゃ旨いね。」
「でしょ？」
揚げたてのから揚げを食べた隆二は口いっぱいに頬張って嬉しそうな顔をする。
一人で来る時は黙々と食べてる私も、今日だけは美味しさに顔が綻んだ。
自分の好きなもので喜んでくれるのは嬉しい。
それを素直に表現してくれる隆二は素敵な人。
多少顔が怖めでも中身を知ればこの人の魅力に誰でも惹かれるんじゃないかなって、隆二の笑顔を見て思う。
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mxxchqn(プロフ) - 大好きです！頑張ってください(*ﾟ▽ﾟ*) (2018年12月1日 1時) (
レス) id: 448d83b4a9 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - omikoさん» コメントありがとうございます。2章が始まりました。ぜひ読みに来てくださいね。まだまだこれからです(^^) (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あゆはさん» あゆはさん初めまして。コメントありがとうございます。タイトルまで気に入っていただけて感激です。岩ちゃんグイグイ来てますからね〜次は何を仕掛けてくるのかな？また2章も読みに来てくださいね。 (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんはそうだろうなぁと予想してました(^^)隆二をお楽しみに！ (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あいさん» 初めまして。コメントありがとうございます。2章もぜひ読みに来てくださいね。まだまだ楽しんでもらえるように頑張ります。 (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ
| 作成日時：2018年7月15日 22時
