13 ページ13
.
「課長って意外とまともなんですね。」
「は？お前それ上司に言う言葉か？」
「あ、確かに……すいません。でも、なんだかカッコイイって思いました。自分の努力を認められる人ってなかなか居ないじゃないですか。」
「自分で自分の意識を高めなきゃ、上なんか行けねぇよ。俺ならもっとやれる、とか、こんなんじゃ終われねぇ、とか。目指すとこはもっと上なんだよ俺は。」
「………支配人とか？」
「お前には教えねぇ。」
「そうですかー。はぁ……ほんと綺麗。」
普段は淡々と仕事をこなす課長の心の内を覗いたら、この人が上司で良かったって思えた。
尊敬できる大人な人なんだって、これからも課長について行こう。
夜景にうっとりしながら、純粋にそう思ってた。
………のに。
「………んっ、んん、課長…」
「名前で……呼んで。」
「……ひろ……おみっ」
部屋の冷蔵庫に入ってたお酒を飲み干して、二人して酔いが回って。
それは勢いだった。
上司と部下の関係は、この日を境に
��カラダ��の関係に変わった。
越えてはいけなかった一線を、私たちは簡単に打ち破って。
もう元の関係性には戻れない。
最上階の密室で過ごす甘い時間は二人だけの秘めごと。
.
結局、臣の部屋を出たのは朝方。
まだ眠る彼に何も告げずベッドを出て。
髪もメイクも中途半端に手直しをして電車に乗った。
昨日の夜から閉じたままだったスマホを開くと、一通のLINEが届いてた。
差出人は岩田くん。
��明日の夜は何時？��
朝帰りのせいで体は怠くて。
返事をせずに家に着いて、泥のようにベッドに倒れ込んで眠りについた。
目を覚ましたのは、けたたましく鳴るスマホの着信音のせい。
「………はい。」
「あ、Aさん？その声、もしかして寝てた？」
電話の相手は岩田くんだった。
「ごめん、すぐ支度するから。一時間だけ待っててもらっていい？」
「全然いいよ。俺Aさんのことなら何時間でも何日でも待つから。」
「………うん。家出るとき連絡する。」
そんなことを言われて嬉しくないわけがない。
私も岩田くんのように純粋に人を好きになりたい。
臣とのことは割り切ってたはずなのに、回数を重ねるごとに、カラダだけじゃなく彼の気持ちも欲しくてたまらなくなっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1716人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mxxchqn(プロフ) - 大好きです！頑張ってください(*ﾟ▽ﾟ*) (2018年12月1日 1時) (
レス) id: 448d83b4a9 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - omikoさん» コメントありがとうございます。2章が始まりました。ぜひ読みに来てくださいね。まだまだこれからです(^^) (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あゆはさん» あゆはさん初めまして。コメントありがとうございます。タイトルまで気に入っていただけて感激です。岩ちゃんグイグイ来てますからね〜次は何を仕掛けてくるのかな？また2章も読みに来てくださいね。 (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんはそうだろうなぁと予想してました(^^)隆二をお楽しみに！ (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - あいさん» 初めまして。コメントありがとうございます。2章もぜひ読みに来てくださいね。まだまだ楽しんでもらえるように頑張ります。 (2018年9月7日 16時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くるみ
| 作成日時：2018年7月15日 22時
