assorted LOVE (ページ7)

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隆二 side

「なにを聞いて欲しいの？」

「あっ、やっと来た隆くーん！」

「ごめん、遅くなって。」

「もー、待ちくたびれたぁ。」

隣の椅子に座ればすぐにマスターがビールを出してくれた。

Aが片手に持つグラスに俺のグラスを傾け合わせたら、＂召し上がれぇ＂って陽気に笑う。

ずっと見たかった可愛らしい笑顔を見せてくれるA。

触れたい気持ちがふっと湧いてきた。

その笑顔に触りたい、ふわっと揺れる髪を撫でたい、紅い口唇にキスしたい。

今までAに対して感じたことのない、よこしまな気持ちを打ち消したくてビールを勢いよく口に含んだ。

考えるな、変なコトは………これ以上。

「レコーディングどうだった？いいの出来た？」

両手で頬杖をつきながら、Aは俺の目を見て話してくれる。

それは出会った時から変わらないスタイルなのに、今となっては胸が熱くなる仕草。

もっと、もっと俺を見てほしい。

………俺だけを。

「めっちゃくちゃいい曲出来た。」

「かっけーの？」

「……聞く？」

「いいの？」

「いいよ、Aは特別ね。」

「やったぁ………嬉しい。」

満面の笑みで喜んでくれるAにイヤホンを渡してスマホに入れたレコーディングしたばかりの曲を聞かせた。

曲が終わると片耳のイヤホンを外してまた俺を見る。

「この曲、なんていうの？」

「………エンジェル。」

「ふーん、いい曲だね。こんな風に想われたら幸せなんだろうなぁ。私この曲好き。もう一回聞いていい？」

首をかしげて子どもみたいにねだるA。

もう一度流してあげると覚えたての曲を小さく口ずさんだり、鼻歌を歌う。

その姿を見たら嬉しくて。

これから曲を作るたびにAに最初に聞いて欲しくなるんだろうなって思った。

それに……

「A？」

「ん？なに？」

「気に入った？」

「うん、大好き。」

これからも俺のそばにいて欲しい。

Aへの気持ちが膨れ上がってることを知った。

俺は本気でAが好き。