assorted LOVE (ページ6)

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隆二 side

結婚式から約２ヶ月。

あれから仕事で海外に行ってたこともあって、Aとは会えずじまい。

これまでだって１ヶ月や２ヶ月会わなかったことはあったのに。

好きだって、自分の気持ちを確信した途端。

今なにしてるんだろうとか、声が聞きたいとか、早く会いたいとか。

何をしてたって考えるのはAのことばかり。

なのに繋がりがほしいと思えば思うほど臆病になっていって。

彼氏でもないのに電話とメールを頻繁にしたら嫌がられるかもしれない。

そんなネガティブな思考にとらわれる。

今までは何も考えずに出来てたことが、今はAにどう思われるんだろうって、自分の体裁が気になってしょうがない。

こんなんじゃ恋なんて上手くいきっこないってわかってるはずなのに。

どんどん臆病になっていく。

俺ってこんな男だったっけ……。

って、へこんだ。

でも、日本に戻ってすぐのこと。

＂隆くん、いつ暇？＂

AからそんなLINEが届いた。

＂今日空いてる！＂

一時間もしないうちに返信したら、それもすぐに返ってきて。

＂いつものバーでいい？＂

＂いいよ。仕事終わったらすぐ行く！＂

Aと約束したその日。

俺はわかり易いほどに浮かれてた。

健ちゃんや岩ちゃん、それに臣にも

「今日なんかあるっしょ？」

って聞かれて。

好きな子に会えるんだぁ、って言って回りたいとこだったけど、大人だからそれは堪えて、耐えて。

＂まぁね＂で留めた。

普段の何百倍にも長く感じた打ち合わせが終わって、事務所を出れたのはもう外が暗くなってから。

急いでタクシーに飛び乗って行き先を告げる。

Aがもう待ってるであろう、BARへと。

そのBARは俺とAのお気に入りの場所。

初めて行ったのはAとよく飲みに行くようになってから。

オレンジ色に落とされた照明に、流れるジャズが穏やかで、居心地のいい空間。

それともう一つ、俺のお気に入りの理由。

それは、

「ねぇ、お兄ちゃん聞いて聞いて！あのね、」

「や、ちょっと待って。俺今忙しいの、見てわかんない？隆二に聞いてもらえよ。」

「だって隆くん遅いんだもん。まだかなぁ…。」

ここはAのお兄さんが開いた店で、彼がマスター。

２人のやり取りを見るのも俺には至福のひとときだったりする。