assorted LOVE (ページ47)

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コンビニに寄って隆二さんはお酒を買って、私は夕飯を買った。

私が住むのは築２５年の古いアパート。

お父さんの会社が倒産して仕送りがなくなったのをきっかけに、マンションからここへ引越し。

２階にある私の部屋に上がる外階段は、錆びれてカンカン足音が酷いし。

壁が薄いのか隣の人の声が聞こえることもあるけど。

自分の好きに装飾した部屋は居心地がいい。

「まだコタツ出してんの？暑くねぇの？」

「夜はまだ寒いし、コタツあると落ち着かない？」

「俺んちコタツないからなぁ。でもまぁ、気持ちいいかも。」

隆二さんはコタツに入りながら、ビールを飲みながらおでんを食べてる。

スーツのジャケットを脱いで、ネクタイを外した姿はすごく素敵。

自分の部屋に男の人がいるっていいなぁって思う。

なんだか、新婚さんみたい。

隆二さんの後ろにあるソファーに座って、私は黙々と浴衣を手縫い。

時折、大きな背中を盗み見しながら。

………ダメだ、集中、集中。

「お前ってさぁ……Aっていうんだ。」

隆二さんはテーブルに置いてあるノートを手に取っていた。

中身は見ないでほしいな。

落書きすごいから。

「うん……てか、それ、中見ないでね？」

「なんで？」

「恥ずかしいから……って、あー！ダメだってば！」

見ないでって言ったそばから、隆二さんはなんの躊躇いもなくノートをペラペラ捲る。

「見るなって言われたら余計見たくなんじゃん。」

「なんないよ！そっかわかったってノート置くでしょ普通！」

「俺はそんないい子じゃねぇよ。」

＂どんだけ必死なの＂って笑いながら捲り続ける隆二さん。

私は浴衣を置いて、それを止めようと後ろから腕を伸ばす。

届かないように天井へ掲げて楽しんでる隆二さんはめちゃくちゃ笑顔。

悔しいけど、その笑顔が可愛い。

なんて胸がきゅんとした。

「ねぇ、ほんとにやめて！」

「わかったわかった。もう見ねぇから。」

そう言っておきながら、隆二さんはノートを返してくれる気配がなくて。

「意地悪！隆二さんの意地悪！」

ソファーから降りて死に物狂いでノートに手を伸ばす。

そんな私を隆二さんはニヤニヤしながら見てて。

………このあと起こることを、たぶん、予想してたんだと思う。