assorted LOVE (ページ43)

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……やだな。

……どうしよう。

なんて言葉を返したらいいんだろ。

マリヤさんならどう返す？

＂私に会いに来てくれたなんて嬉しいー＂

………間違いない、コレだ。

おまけにご自慢の大きなお胸をくっつけての上目遣い。

………間違いない、ソレだ。

「りゅ、隆二さん……」

「なに？」

「…………わ、わ、私に……」

「なんだよ。」

「………飲み物を。」

言えない。

くっつけるお胸もありません。

「お前さぁ、普通は客に飲み物だろ。なに自分だけ飲もうとしてんの？」

隣を見たら隆二さんは笑ってて、自分の発言がさらに恥ずかしくなった。

どっちみち、恥ずかしい結果。

「………ですよね。飲み物なににしますか？」

もう、こんなんでキャバ嬢だなんて誰にも言えない。

隆二さんの顔も見れないよ。

「もう頼んである。」

「え？そうなの？」

その直後、扉をノックする音がして。

「お待たせ致しました。今市様、こちらでよろしいですか？」

シャンパンのボトルを持った岩ちゃんが入ってきた。

隆二さんは微笑んで、それを見て岩ちゃんは２つのグラスに注いだ。

「隆二さん、シャンパンのボトルですか？」

「見りゃわかんだろ。何言ってんの。」

「そうなんだけど……」

このシャンパン、一本で２万はするよ？

なんで私なんかに入れてくれるの？

「お前ほんとにキャバ嬢かよ。」

「はい？」

「ボトル入って喜ばねぇ女なんて初めてだわ。」

「………怒らなくてもいいのに。」

私はただ、まだ知り合ったばかりの人にこんな大金使わせることが申し訳ないって思っただけ。

おまけにＶＩＰルームなんて、私にはまだそんな価値なんかないのに。

失敗ばかりで気分はどんどん落ちて。

膝の上で手をぎゅっと握りながら、床に視線は落ちる。

私って、この仕事に向いてないのかな……。

やばい、泣きそう。

下ばかりを見る私を隆二さんはのぞき込んできて。

「別に怒ってねぇよ。」

確かに私を優しい顔で見てる。

「………ごめんなさい。こんなんで。」

「モモのこと否定してるわけじゃねぇって。この仕事は男に金使わせてなんぼだろ？」

「………そんな……使わせるとか私……思いたくないです。」

「ならせめて、カッコつけさせろ。男っつうのはな、見栄張りてぇもんなの。」

このシャンパンは、隆二さんの見栄の現れ。