assorted LOVE (ページ23)

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隆二 side

臣に興味ないって聞いて、にやける顔を抑えきれなかった。

おまけにタオルまで借りちゃって。

生きてきた中で１番幸せな日じゃんって思った。

スポーツ大会が終わって教室に戻る間、臣はいちご先輩とのことを突っ込んできた。

「なぁ、いちご先輩の番号聞けたの？」

って聞かれて、思わずタオルで顔を覆った。

………しくってんじゃん俺。

「もしかして、ゲットならず？」

「そもそも聞いてねぇし。忘れてたし。」

「お前バッカじゃねぇの？せっかくのチャンスだったのにぃ？アホだねぇ。」

「でもこれ返す時また話せるし。そん時はぜってぇ番号聞くから。」

「おー、俺にそんな宣言しなくてもいいけどな。まぁ頑張んなよ。」

いちご先輩、絶対落としてみせるから。

って、気合いが入ったところで。

顔を覆ってたタオルをよく見てみたら、隅っこに黒のマーカーで名前が書いてあるのを見つけた。

あの人……Aっていうんだ。

タオルに名前書くなんて、めちゃくちゃ可愛いじゃん。

俺、ますます好きになっちゃった。

.

土日を挟んで週明けの月曜日。

朝からずっとソワソワしてた。

なぜなら早くタオルを返しに行きたかったから。

って言うより、A先輩に会いたかった。

日に日に俺の気持ちは大きくなっていくのが、よくわかる。

通学路、校舎の中、グラウンド。

どこを歩いてたって、姿を探してた。

昼休みが終わる直前、教室に戻ったら。

「隆二聞いてー、この前俺がボールぶつけた人いんじゃん？さっき謝りに行ったんだけどさぁ、よく見たらめっちゃ可愛いの。」

臣が俺の机に両手で頬杖をつきながらデレてきた。

………ちょっと待って。

「……いちご先輩いた？」

「あ、いたよ。」

なんで俺呼ばないの？呼べよ！！

「なんか話した？」

「別に？それよりさー、見てよ。友佳先輩の番号ゲットしちゃったんだよねー。」

ニンマリ顔でスマホを臣は見せてきたけど、俺の視線は机の横に掛けた紙袋の中。

借りたタオルを見て思う。

A先輩、会いてぇな。