assorted LOVE (ページ18)

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THE 青春 1 ページ18

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高校２年生の秋。

私はカレに出会った。

あの日はよく晴れた空の下、全校生徒が汗を流したスポーツ大会だった。

これと言って得意なスポーツはなくて、誰にでも出来るドッジボールに参加して。

やる気のない女子の塊で出来た私のクラスのチームは見事初戦敗退。

それが午前１０時のこと。

そこからあと５時間。

スポーツ大会が終わるまで、仲のいい友佳といろんな競技を見て回った。

あと１時間ほどで終わる頃、友佳は私の手を引っ張ってグラウンドに向かった。

「今から外行くの？めんどくさーい。教室にいようよ。」

「やだよ、サッカー見たいもん。」

「また臣くん？」

「そうだよ、臣くんだよ。なんと決勝まで残ってるんだって。見なきゃダメでしょ。絶対かっこいいから。」

「そんなことないでしょ。ガンちゃん以上にかっこいい人なんてこの世に絶対いないもん。」

「そんなん言ってたらAは一生彼氏できないよ？」

「いいよ別に。私には脳内彼氏のガンちゃんがいるもん。」

「妄想も度が過ぎると恐ろしい領域に達するもんだね。」

「妄想じゃないもん。現実だもん。」

「自分で脳内彼氏って言ったんじゃーん。」

＂めんどくさっ＂って呆れる友佳はサッカーグラウンドに出来た女子の群れに私を連れてグイグイ入ってく。

キャーキャー黄色い声援が飛び交うここは、まるで戦場のようで息苦しい。

「臣くーん、がんばってー！」

そこにいる誰もが彼の名前を口にする。

スマホで写真を連写したり、動画を撮ってたり、アイドルの追っかけを見てるみたい。

彼の人気は尋常ではない。

名前は登坂広臣。

学年は１つ下の１年生。

クラスはＤ組。

サッカー部でポジションはフォワードとなんとも目立つ位置。

これだけ騒がれてるにも関わらず彼女はいないらしい。

だとすれば遊んでるに違いない……と、思うかもしれないけど。

朝から晩まで、ついでに休みの日ももっぱら部活に精を出してるせいで女の影は全くない。

なんて、私は全然興味のない臣くんについてかなり詳しい。

なぜなら友佳が熱狂的な臣くんファンで、毎日のように耳にたこができるほど話を聞かされてるから。

もうお腹いっぱいだ。