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隆二 side







忙しい毎日はあっという間に過ぎ去って、もう、今日は花火大会当日。






それぞれ予定があるメンバーの横でため息ばかり吐き出して、考えたくないことを頭から排除しようとしてた。






けどそんなのはムダで……。






一秒たりともAのことは頭から離れなかった。






身を引こうって思ってはみたものの全然ダメ。






想いはどうしたって消えはしない。








こんな時に限って仕事も早く終わっちゃって、花火大会に行くには充分すぎる時間が残ってた。






俺もAと行きたかったな……。






………悔しい。







埋まらない予定は諦めて、素直に家に帰ろうとしてた送迎車の中、スマホが鳴った。






「おっ、隆くん出た。今何してんの?」







相手は涼介だった。





ちょっと期待しちゃったじゃんか。






でも一人でいたくなかったから涼介と合流して居酒屋に入った。






もう少しで花火が上がる時間とあって店の中は満席で賑やかだった。







「なんか男2人って超アウェー感ない?」






涼介の言う通り、周りはカップルやらグループばっかりで少し俺らは浮いてるような、可哀想な感じ。








「彼女どうしたんだよ。一緒に行けばよかったじゃん。」






「ねぇ、俺も行きたかったんだけどさぁ、仕事だから。隆くんこそAは?あっ、誘う?」






「来ないよあいつは。」






「さっすが隆くん、予定知ってんだ。なに、仕事?」






「違う………好きなヤツ出来たって。」






「えっ、あっ………マジで。」







なんか泣きそう。




自分の口から聞いたセリフに胸が押しつぶされそうになって、現実を受け止められない。







若い頃みたく当たって砕けろが出来ないのは、これが本気の想いで、簡単には失くしたくないから。





友達のままでもいいから、そばにいさせて欲しいから。






それ以上は望まないよ、これからは。









「隆くん、合コンしよっか。」






「は?お前彼女いんのに?」






「楽しそうじゃん合コンとか……ほら、あっちの席見てみ?あれは絶対合コンと見た。」








涼介が顎で指した方に目をやると、少し離れた席には男女が5人ずつのグループがいた。





座り方からして確かに合コンだなアレは。







「あの子らめっちゃ可愛いじゃん。なんだろ、グラビア?モデル?半端ないねありゃ。」






涼介は相手の女が気になってるみたいで全然気づいてない。




男の中に結婚式でAに声をかけてたアイツがいることに。

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☆まぁ☆(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読ませて頂いています(*^^)他の作品も全部ステキですが,こちらの続きも楽しみにしています(*^^) (2019年3月10日 0時) (レス) id: 0222ecc7f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるみ | 作成日時:2018年6月30日 10時

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