極上ハニー (ページ10)

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8.わたし流のお出迎え。ページ10

「隆くーん、おかえりなさーい！」

まだ玄関のドアは開いていないけど
ドアの向こうにいるだろう隆くんに聞こえるように

全力で迎える体制を整えるわたし。

いつもなら

「ただいま。」

って、隆くんがキャップを外しながら入ってくるんだけど……

「え、あ、うん、ただいま。」

本日は、驚いた顔をした臣くんでした。

玄関開けたら２秒でわたし。

しかも超キラキラスマイルの。

そりゃ驚くのもムリはないよね。

「お、臣くん、いらっしゃい！」

ヤダもー、恥ずかしいじゃんか。

「Aちゃん、相変わらず派手な迎えしてんだねー。いいなー、隆二さん。」

そう言いながら
次に入ってきたのは岩ちゃん。

彼はこんなわたしをもう見慣れてるのか
笑いながらわたしの横をすり抜けていく。

「「お邪魔しまーす。」」

臣くんと岩ちゃんが家に上がったあと
ドアを閉める隆くん。

「隆くん、おかえりなさい。」

靴を脱いだ隆くんはわたしを見て、クスッと笑う。

「俺、昼間ラインしたよね？」

「うん、うん！今日も隆くんとメッセージのやり取りできて、すっごく嬉しかった！」

「でしょ？臣と岩ちゃん来るのわかってんのに、いつもの迎えはヤバいでしょ？」

「あ、ね、わたしってば、うっかりしちゃった。」

「そのうっかりの二次災害で俺も恥ずかしいんですけど？」

「うん、ごめんね？次からは気をつける！だから、怒らないで？」

「別に怒ってないけど。Aも恥ずかしかったんだろ？」

「うん。今すぐ地下まで穴掘って潜りたい。あ、でも、もちろん隆くんと一緒に。」

どこに行くにも、隠れるにも
隆くんのことは置いていけないもん。

「うん、俺はやめとく。穴掘るのめんどくさいし。」

「そんなぁ……ひとりで地下なんて……寂しいんですけど。」

「はいはい、妄想はその辺にして、みんな待ってるから。俺も腹減ったからさぁ、Aちゃん。」

「そうだね、お鍋もう出来てるから食べよっか。」

足元に視線を落としたら
隆くんらわたしの頭にポンと手を乗せて

「いじけてんの？」

って、顔をのぞく。

いじけてないもん、って意味で顔を横に振ったら

「あんまり可愛いことAがして、臣たちが好きになっちゃったら俺が困るの。」

なんて、胸がキュンとする言葉をくれた。

みんながいなかったら
キスのおねだりが出来たのに。