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9.心強い。 ページ9

「Aも飲むでしょ?」




「まだみんな帰ってきてないけど、もらってもいいですかねぇ?」




「一本くらいいいでしょ。てか付き合って!」




「はーい。じゃあいただきまーす。」






怜ちゃんと缶ビールを合わせて乾杯して
ひと口飲んだら、また臣くんへの愚痴が始まった。






「だいたいさぁ、ミュージックビデオにあんなシーンって必要?あんなの見せられたらせっかくのカッコいい曲が、ぜんっぜん耳に入ってこないっつーの!」




「わかるー。隆くんもさ、可愛い女の子とカーテンでクルクルしちゃってさ。もー、ヤダよー。」




「でも見ちゃうんでしょ?」




「えー、そりゃそうだよー。あんなにカッコいい隆くん見ないなんてありえないもーん。怜ちゃんもでしょ?」




「悔しいけどね、見ちゃうんだよねぇ。」




「怜ちゃんも臣くん大好きなんだよねー。」




「Aみたいに変態気質はないけどね。」







溜まりに溜まったモノを吐き出して
スッキリした顔をした怜ちゃんは

ビールをゴクゴク飲み干す。






高校からの友だちの怜ちゃんは、隆くんのパートナーの臣くんの彼女。





服飾の学校を卒業して、就職したのは芸能事務所。





そこで臣くんと運命の出会いをして
付き合ってもう2年くらいになると思う。






怜ちゃんは
わたしが隆くんと出会うきっかけを作ってくれた神様みたいな子。






わたしと隆くんが付き合ってることを知る友だちは
怜ちゃんだけ。




もちろん怜ちゃんと臣くんのことも
わたししか知らない。





だから、こうして彼氏の話をできるのは
怜ちゃんだけだから





同じ気持ちを分け合える唯一無二の存在。






怜ちゃんがいなかったら
わたしはこんなに幸せじゃなかったかもしれないし




普通の生活に憧れて
隆くんの仕事を理解してあげられなかったかもしれない






怜ちゃんがいてくれるだけで、心強い。








ダイニングの椅子に2人で座って
お菓子とビールを楽しんで、いつの間にか外は暗くなってた。







「臣たちそろそろ来るかな?」




「うん、6時って言ってたから、あと5分もしたら帰ってくると思うよ。」




「相変わらず玄関まで行ってんの?」




「一緒に住んでたら当然のことでしょ?疲れて帰ってきた隆くんをわたしの最高の笑顔で……あ!!」




「なに!?」




「隆くん、帰ってきた!」






自分の声に混じって聞こえた鍵を回す音。



それを聞いたら
わたしはダッシュで玄関へ向かいます。

8.わたし流のお出迎え。→←8.一人目の訪問者。



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inoribiyori(プロフ) - 変態気質の彼女可愛い〜!更新楽しみにしていますね〜♪ (2018年8月1日 21時) (レス) id: 3d2c175f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるみ | 作成日時:2018年1月25日 12時

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