episode 53-2 ページ13
Hokuto side
あいつが地元に戻るって話は、3学期になって早々に聞かされた。植田には言ったの？って聞いたら、言ってないって。なんで言わねぇの？って聞いたら、今言ったら、ショック受けるからって。
正直、樹が地元に帰るって聞いたときは色々な感情が湧いた。その中には邪な考えもあったわけで。きっと誰しもそういう考えは浮かぶはず。一応、俺はそこまで卑怯な奴じゃないから考えが思いついたところで止まったけど。
なんで好きな奴に手助けするようなことをしたか。
そんなの簡単だよ、好きな奴には笑顔でいてほしいから。俺が幸せに出来ないなら、俺が幸せになるためのレールを引いてあげようと思って。お節介だと思われるかもしれないけど、俺にはそれしか出来ない。
植田になんでそんなに気にかけてくれるのかと聞かれたとき、本当のことを言っていたら今頃どうなっていたんだろう。恐らく、俺たちの関係はただの担任と生徒っていう関係に戻っていたんだろうな。俺はそれが怖くて、大切な生徒だからって言って濁したんだ。まぁ比喩表現だから、勘が良ければ気づかれたんだろうけど、あいにくあいつは鈍感だから気づかなかった。それがあいつの良いところなんだけどな。(笑)
「先生。」
松村「ん？」
「私、千葉の大学行きます。」
松村「…………そっか。」
「後押ししてくれて、ありがとうございました！」
松村「俺は何もしてねーよ。お前が決めたんだろ？」
「まぁ、そうですけど……」
松村「推薦だっけ？」
「そのつもりです。」
松村「じゃあ俺は頑張って良い推薦書書いてやるよ。」
「ありがとうございます！」
松村「頑張れよ。」
「はい！」
あいつは俺の気持ちに最後まで気づかないんだろうな。いや、もうそれで良いのかもしれない。その方がこの関係も続けられると思うし。
絶対受かれよ。
これが俺からの最後の願い。
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卓佳(プロフ) - さくらさん» 数あるお話の中から、この作品をお読み頂きありがとうございます！とても嬉しいです！一気読みも小説の醍醐味ですからね(笑)はい、楽しみにお待ち下さい！ (2020年6月9日 17時) (
レス) id: 2d83bd1f70 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 昨日このお話を見つけて（遅くてすいません）一気に読みました。番外編も楽しみにしています。 (2020年6月9日 9時) (レス) id: 63aab54572 (このIDを非表示/違反報告)
卓佳(プロフ) - みくさん» 本当にありがとうございます………！こんなにも喜んでいただけて、嬉しすぎます！！！書き甲斐があります！時間は開くかもしれませんが、番外編は書かさせて頂きます、暫くお待ち下さい！本当にありがとうございます！！ (2020年6月9日 2時) (レス) id: 2d83bd1f70 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - このお話が大好きすぎて終わって欲しくないです。番外編とっても楽しみにしています！それぞれの想いが交差するこの感情がもどかしいぐらいです^_^何話でも続けて頂きたいぐらい大好きです！とにかく、作者様にこの気持ちを伝えたくて・・・もうファンです！！ (2020年6月9日 2時) (レス) id: 12bc81e91e (このIDを非表示/違反報告)
卓佳(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございますぅぅぅ！嬉し過ぎて涙が出そうです(笑)これからももっと感情移入して楽しんで読んで頂けると幸いです！ (2020年5月17日 14時) (レス) id: 2d83bd1f70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卓佳 | 作成日時：2020年5月17日 11時
