episode 48-2 ページ2
靴箱に手紙入ってるって何?今まで入ってたことないんだけど。見た感じ封筒には何も書かれてないし、触った感じ中身は薄い感じ。中身を確認するため、荷物を教室に置いた私は屋上に向かった。
「さ、開けるか。って、のり付けされてないんかい(笑)」
なにこの軽い手紙(笑)重要な物だったらのりでガチガチに固めてもおかしくないのに、あいにくそんなことはされていない。どんだけ無防備なんだか。
「………え、これって」
中を見ると、こんなメッセージが記されていた。
"植田さんへ
いきなりごめんね、驚いたよね。俺も緊張しながら書いたんだ。だから、許してください。
とりあえずなんでこの手紙を書いたかというと、君のことが好きだから。この場で言わせてもらうけど、俺は植田さんのことが好きだよ。正しく言うなら好きだった、かな。
初めて植田さんを見た時、俺は俗に言う一目惚れをしたんだ。授業中に一番良かった生徒にメモ書きを渡すのが俺のスタイルって言ったけど、あんなの嘘。ただ単に、俺が渡したかったからっていう理由で渡したんだ。嘘ついてごめん。けど、そうでもしないと俺のこと覚えてくれないって思ったからさ。
それから、模索してたんだ。どうやったら植田さんに覚えてもらえるか、好きになってもらえるか。けど、その計画も無残にも散ってしまったんだよね。まさか、樹が話してた子が植田さんだったなんて。(笑)それを知った瞬間、なんだか奪っちゃいけないなって気がして。昔の俺だったら、意地でも奪ってたと思う。けど今は、好きな人には幸せでいて欲しいっていうのが俺の願いで。だから、今回は俺が身を引くことにした。
今回は、あえて名前を書かないよ。だってヒントが書かれまくってるから(笑)植田さんならこれが誰が書いたかは分かるはずだから、そこは託すよ。
最後にもう一度言うね。君のことが好きだったよ。
(誰が書いたか分かっても、俺の元には来ないでいいから。気持ちを知ってくれるだけで十分だからね。樹に幸せにしてもらえよ、じゃっ。)"
正直驚いたけど、この人は好きな人のことを思って自分にとって酷な決断をしたんだなって思うと、なんだか申し訳ない気持ちになってしまった。けど、この人の為にも私は幸せにならないといけないなって実感させられた。
京本先生、こんな私を好きになってくれてありがとうございました。
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卓佳(プロフ) - さくらさん» 数あるお話の中から、この作品をお読み頂きありがとうございます!とても嬉しいです!一気読みも小説の醍醐味ですからね(笑)はい、楽しみにお待ち下さい! (2020年6月9日 17時) (レス) id: 2d83bd1f70 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 昨日このお話を見つけて(遅くてすいません)一気に読みました。番外編も楽しみにしています。 (2020年6月9日 9時) (レス) id: 63aab54572 (このIDを非表示/違反報告)
卓佳(プロフ) - みくさん» 本当にありがとうございます………!こんなにも喜んでいただけて、嬉しすぎます!!!書き甲斐があります!時間は開くかもしれませんが、番外編は書かさせて頂きます、暫くお待ち下さい!本当にありがとうございます!! (2020年6月9日 2時) (レス) id: 2d83bd1f70 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - このお話が大好きすぎて終わって欲しくないです。番外編とっても楽しみにしています!それぞれの想いが交差するこの感情がもどかしいぐらいです^_^何話でも続けて頂きたいぐらい大好きです!とにかく、作者様にこの気持ちを伝えたくて・・・もうファンです!! (2020年6月9日 2時) (レス) id: 12bc81e91e (このIDを非表示/違反報告)
卓佳(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございますぅぅぅ!嬉し過ぎて涙が出そうです(笑)これからももっと感情移入して楽しんで読んで頂けると幸いです! (2020年5月17日 14時) (レス) id: 2d83bd1f70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卓佳 | 作成日時:2020年5月17日 11時