計画 ページ4
ある夜、ふと魔力を感じた。廊下を歩いている時、外には遠坂さん自慢の結界が張られているのに。窓から外を窺えば、見えたのは言峰さんが連れていたアサシンだった。
「あれは…言峰さん、何のつもり？」
観察して意図を図ろうとすれば、上から、屋根の上から放たれた黄金の光を見た。コレは、英雄王の。
「何をして……っ、魔力が、吸われるっ…」
宝具でも無いのに、凄い消費量だった。遠坂さんは初めから、分かっていたのかな。こうなる事を。足を付いてしまい、何とか耐える。底を突く事なんて無いだろうが、何て言うかな…献血で血を抜かれるような感覚がある。中に居たから声なんて聞こえず爆風と光しか届かなかった。しかし、アサシンの顔が撃ち抜かれる瞬間を、その死を目の当たりにして目を覆ってしまった。私だって、ヒトの死は怖い。何より頭を過ぎったのは、父母の死に際だった。
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「何で殺したのですか、英雄王。あれは、あの方は言峰さんの…！」
私の気配を察知していたのか、霊体化して私の後ろに現れた英雄王に意見した。
「何だ、知らなかったのか？言峰自身は時臣に協力しておるが、そのサーヴァントまで協力関係にあるとは決め付けられんだろう」
だからって、と言いたかったが今以上に不敬な働きをしては面倒だった。それに、この私の至らぬ頭で考えてみれば、言峰さんが召喚したアサシンは、百の貌で知られるハサンだった。ハサンなら、１人が死んでも少なくとも数人程度、代わりが居る筈だ。遠坂さんがアサシンを狙わせたのは、他の参加者にアサシンの脱落を報せる為だったり？
「…一つ、聞いてもいいですか？」
「赦す。何だ」
「……コレは、全て計算ですか」
英雄王は、ただ笑った。
「お前がそう思うのなら、そうなのだろうよ。魔力を無駄遣いさせた事を怒っているのか？」
「…いいえ、ちっとも。多少貧血気味ですが、仮眠を摂れば戻ります。今後も、どうぞご自由にお使い下さい。どうせ魔力欠乏症なんて起きませんから」
一礼した上で踵を返し、私は屋根裏部屋に戻った。ベッドに倒れ込むように寝転がり、先程の景色を頭で反芻した。アサシンの、死に様を。
「…っ、母さん…お父さん…」
──何で…こんな偶然、ありえない。
そう、偶然だ。英雄王が私の過去を知る筈が無い。遠坂さんか言峰さんが話したのなら別だけど、でなければ、単なる偶然に他ならない。
「…寝よ」
考えるのを止めて、魔力の事もあり、目を閉じた。その日見た夢は、胸くそ悪いモノだった。
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まつよ - 面白かったです。是非、ステイナイトの時の主人公を見てみたいです。 (2019年5月29日 21時) (
レス) id: 4baad1a05f (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年5月10日 15時) (レス) id: 483535372f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華苑 | 作成日時：2019年5月10日 11時
