【鬼滅の刃】裏切り者の継子【悲鳴嶼行冥】

11 玄弥 ページ13

昼頃に起きて鍛練し、日が落ちれば警備へ向かう。
そんな生活を繰り返し、常中がある程度様になってきたある日、行冥さんが男の子をつれて帰ってきた。



「不死川玄弥」


ボソッと呟いてそっぽを向く男の子はどことなくあの子達に似ていた。


ひとりで屋敷に残すのは危ない、ということで一日中屋敷にいることになった。
行冥さんと夜の討伐に出掛けられなくなったのは悲しかったが自分の鍛練の時間も十分にとれるし何より玄弥がかわいかった。



「もうそろそろお昼だから手を洗っておいで」
そういうと、「はい！」と返事しいそいそと洗い場へ向かう。


口一杯に食べ物をつめてもくもくと食べる姿を見ると鍛練の疲れが吹っ飛んでいく。そういや、あのこ達も口一杯に頬張って食べてたっけ。


「Aさん、呼吸が使えない人っていませんよね？」

「うん？呼吸は基礎だから、使えない人はいないんじゃないかな」

「そうですよね…」

そのときはあまり意識せずに答えていた。
なぜ彼がこんなことを聞くのかわからなかった。玄弥はまだ若いし修行を始めたばかりだ。

呼吸が使えないことを気に病んでいるのかな。

いやいや、気にしすぎだって。
ここで鍛えるうちに徐々に使えるようになっていくだろう。


玄弥の刀、いつ打ってもらおうかな…。
ご飯を食べながらそんな先のことを考えていた。

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