63 記憶 ページ20
悲鳴嶼side
膝裏に手を滑り込ませ、持ち上げる。
軽い。
胴も腕も己のものより幾分か細いだろうと予想していたがこれ程とは。
このような小さな体で刀を振るのか、と考えると知らぬ間に涙が流れてしまう。
それでも、体はあの頃より確実に重くなっていた。
「大きくなったな…」
あのとき鬼が来なければこのこは今も普通に音楽を楽しめる子だったのだ。鍛練に励み頚を斬る生活とは無縁の、人間としての幸せを享受できる子だ。
触れてみてはっきりした。
己のだいているものは恋だと。
間違いなくこの子に恋愛感情を抱いている。
一時はAがなぜ自身を隠すのか分からなかった。
ついに今日まで話してくれなかったがそれでもいい。
そばにいてほしい。
知ることでこの関係が壊れるなら無理に話さなくてもいいだろう。
いや、むしろ知らない方がいい。
よほど疲れたらしく、背中で眠ってしまったようだ。背にあたる息がこそばゆくて、幸福に満たされた。
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リリア(プロフ) - 悲鳴嶼さん推しなのでこの小説めっちゃ好きです!これからも更新頑張ってください!! (2021年6月14日 19時) (レス) id: a1c1a0f2f0 (このIDを非表示/違反報告)
春駒(プロフ) - 莉弥さん» そう言っていただけて嬉しいです!!コメントありがとうございます!! (2020年6月20日 22時) (レス) id: db12751af0 (このIDを非表示/違反報告)
春駒(プロフ) - ろーずてぃーさん» 善逸くんのおかげでボコボコ回避です!更新頑張ります! (2020年6月20日 22時) (レス) id: db12751af0 (このIDを非表示/違反報告)
実弥さんの胸に飛び込みたい人(プロフ) - 毎回楽しませてもらってます!自宅学習頑張ってくださいね! (2020年6月15日 18時) (レス) id: 52a01aa650 (このIDを非表示/違反報告)
ぽけこ - 面白いです!この後どうなる事やら…続きが楽しみです!((o(^∇^)o)) (2020年6月14日 20時) (レス) id: 2100e824f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春駒 | 作成日時:2020年4月13日 22時