【鬼滅の刃】裏切り者の継子 ー 続 ー【悲鳴嶼行冥】

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瞬時にしまった、と焦る。
話を聞かれてしまった。

掴んでいた手を離すと獪岳はごほごほと咳きこんだ。
恨めしそうにこちらを睨んでくるけど自業自得だと思う。



「え、二人とも何してたの、ていうか二人って知り合いなのぉおお！」



「…まぁな。何度か集団任務で会ったことがある」



「…うん。顔見知り、くらいかな」



獪岳の様子を見るに善逸くんと関係が深そうだし、もにょもにょと言葉を濁す。


あいつがどれだけ嫌なやつでも知り合いに悪い過去を言うほど腐っちゃいない。
話が広まると行冥さんの耳に入りかねないしね。



「え、でもさっき二人とも心拍数えげつなかったし…


…まさかさっきのって痴話喧嘩ァァ！！イィヤァアアーーッ！！！無理無理無理信じたくないィイイ！！！！」



衝撃発言である。


「うん？ な、なに言ってるのかな善逸くん？？」



痴話喧嘩？

私と獪岳が？



「絶対ダメ！Aちゃんがよくても獪岳だけはお勧めできない！絶対やめたほうがいい！こいつ乱暴者ですぐ手が出る…ゴフッ！」



言い終わる前にぶん殴る獪岳。
心なしかその頬が赤く染まっている。


「ほら、ほらぁ！！」と服を引っ張りこちらに抗議する善逸くんを宥めながら納得した。


やはり乱暴なのは昔から変わらないみたいだ。



「チッ 相変わらずうるせぇ奴だ…」


顔を伏せ、ごにょごにょと呟く。

「お前もとっとと鬼に食われろ」


「あっ…」

そう捨て台詞を吐いて廊下を走って行ってしまった。

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