芒に月【黒川イザナ】 (ページ10)

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「何してる鶴蝶…早くとどめを刺せ！」

皆が黙り込んでいる中それを突破ったのはイザナだった

「カクちゃんじゃオレには勝てねぇよ」

「 …は？」

「目ぇ見りゃわかる負けらんねぇって覚悟がねぇ」

「どけ鶴蝶じゃあテメェにはあんのか？タケミっちその｢死んでも負けられねぇって覚悟｣がよぉ！」

鶴蝶の前に出た稀咲にその場のほぼ皆が愕然していた

『は！？』

「！？銃！！」

「オイ！なんだよソレガキの喧嘩だろ！？」

「稀咲！」

稀咲が花垣武道の頭に銃を突きつけた

でも、花垣は微塵も怖がっていなかった

「お前何びびってんだよ？」

『バカ！煽るな！！』

その瞬間ドンッと銃声が鳴り響いた

稀咲が花垣の足を撃ち抜いた

それでも、花垣は全く怖気付かない

「オレにできる事は一つ！！諦めねぇ！！！死んでも諦めねぇ事だ！！」

「ぶっ殺す」

「やってみろ！簡単だろ？エマちゃんを殺したように」

花垣は自ら頭を銃にぐっと近づけた

しかし、稀咲は銃を下ろして花垣の顔を殴りつけた

力が尽きていた花垣は倒れ込むがすぐさま仲間が助けた

そして、花垣の言葉が響いたのであろう動けなかったはずの東卍のメンバー達は立ち上がった

『これ、貸すよ皆には黙っててあげるから… 』

「 …ありがとうな、」

Aは涙を流す武藤に気が付き静かに歩み寄り小声で話しかけた

『私たち何目指してんだろうね… 私がイザナを止められたらよかったのかな、全部わたしのせいだ… 』

「オイオイ…オマエのせいじゃない、背負い込むな」

武藤は涙を流しながらも優しい笑顔を作ってAの方を向いた

すると、Aは控えめに吹き出した

『え、ムーチョが泣いてんのウケるんだけど』

「 …オマエ空気読めねぇって言われねぇか？」

『よく言われる』

「だろうな」

Aと武藤が呑気に話していると場の雰囲気は先程とは全く違うものになっていた

人を蹴る音とは思えない大きい音がひたすらに聞こえてくる

Aは見なくてもイザナの蹴りだと思った頃

「ナメんなカス」

「うおおおお！！」

花垣はイザナの蹴りを何度くらっても立ち上がる

正直、Aも武藤も…いや、その場にいる全員がドン引きだった

「もう立つなタケミチ…！！」

「しつけーヤローだ」

「オレがマイキー君を守るんだ！！！！」

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