芒に月【黒川イザナ】 (ページ16)

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12年後＿

「あーむっ裏切り者に梵天の鉄槌を！！！」

薄暗い倉庫の中、3人の男に拷問が行われていた

「しっしっしっー！！聞け！“マイキー”からのお言葉だ」

「殺せ」

「うっす」

ドンドンドンと銃声が倉庫に鳴り響いた

「梵天の歯車に噛み合わねぇ奴はスクラップだろ！」

梵天ナンバー2 三途春千夜

「死体シッカリ掃除しとけよ」

梵天ナンバー3 鶴蝶

「凍らして砕いて魚のエサだ」

梵天幹部望月莞爾

梵天幹部灰谷蘭

梵天幹部灰谷竜胆

「忘れんなよ？テメェら裏切ったらオレらでも同じスクラップ！」

梵天幹部九井一

梵天相談役明司武臣

『それが梵天だもんね、』

梵天幹部 A

梵天首領佐野万次郎

…＿

『殺すとき銃使うのやめない？』

「あ？じゃあ、どう殺せってんだよ」

帰りの車で三途とAが話しているのを運転している鶴蝶とその横に座るマイキーが黙って聞いていた

『私、銃の音…怖くて、』

「テメェまだ… 」

涙目になっているAを見て三途は言おうとした言葉を引っ込め頭をポンポンと撫でた

「いい加減諦めた方がいいんじゃね？」

『 ……簡単に言わないで』

三途は何も言わず、ただ自分を睨むAを見つめた

「オマエあの頃もよくそんな顔してたよな… 」

『アンタとは目も合わせた覚えない』

「あっそ… 」

Aはちょっと肩借りるねと言って三途にもたれ掛かり眠りについた

「 …！A……A！！」

『 …！おはよ、カクちゃん』

「やっと起きたか… 」

Aは目を覚まし辺りを見渡すが車の中には鶴蝶しかいなかった

「 2人には先に行っておいて貰った」

『ごめんね、カクちゃん』

「今更、気なんて使うなバカ！」

鶴蝶はそう言い笑ってAの頭を撫でた

Aはカクちゃんらしいね！と笑顔を見せたが鶴蝶はAの顔を見るなり眉をひそめた

「 …どうした？」

『え…？あれ…おかしいなぁ…なんで泣いてんだろ…？』

必死になって考えるがAは思い出せずいた

『多分だけど、優しい夢を見たんだ心まで溶けるような』

「 …きっとイザナの夢だろ」

鶴蝶に行くぞと言われ2人は車を出た

Aは心臓のある位置に入れた花札の“芒に月”の柄であるイザナのピアスの柄のタトゥーを手でさすった

『イザナ…今でもまだ好きだよ』

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