芒に月【黒川イザナ】 (ページ14)

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次第にざわめきが大きくなるがそれよりも大きい声で武藤が叫んだ

「救急車を呼べ！！！！」

武藤の声に幹部達はハッとしたが望月のイザナ…A 鶴蝶！！という声しか出なかった

「マイキー…オマエはオレを“救いたい”って言ったか？」

「兄弟なら当然だ…もう喋るなイザナ… 」

イザナはマイキーの言うことを聞かずに母親と偶然会ってからの話をした

聞いていくとマイキーと花垣は目を見開いた

「イザナ…オマエ… 」

「え？それって」

「そうだ…オレは真一郎ともオマエともエマとも兄弟なんかじゃない…誰とも血がつながってないんだよ」

この衝撃の事実を知っていたA以外は当然みんな驚いた顔をした

「なぁ？マイキー…オレが救えるか？救いようねぇだろ？なぁ？…エ…マ… 」

『 …イザナ？ねぇ！嘘でしょ！！？』

「イザナ？…オイ！！返事しろよ！！オイ！！イザナ！！オイ！！！イザナ！！！！」

鶴蝶が何度読んでもイザナの返事はなかった

上半身だけ起き上がっていたAと鶴蝶はドサッともう一度横になった

そして、真ん中にいるAは2人の手を握りしめたが握り返してくれたのは鶴蝶だけだった

「イザナ…寂しい思いはさせねぇよ…オレらも…今…そっち逝くから… 」

『あと少しだから…待っててね、イザナ』

「オレらは上手に生きられなかったな… 」

Aと鶴蝶はイザナを見て涙は止まらないが３人一緒だと思うと自然と笑顔になった

空を見上げると雪が降っていた

「『雪だ… 』」

Aと鶴蝶はきっと同じ思い出を頭に浮かべている

それは、まだ幼かった頃の何でも上手くいくと思いきっていた自分達のことを

　