元彼氏の神山くん【緑】

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「…………迷惑、じゃない」

『……ほんま？』

「…………けど、」

『…………』

「………………私の方が、迷惑、じゃない？」

『え？』









目をまん丸にして

私の顔を、覗き込まれる









『なんで？』

「え？…………いや、だって」

『Aちゃんが、迷惑なわけないやん。笑』

「………でも、」

『…………』

「……っ、……」

『………………え、え？』









嬉しいのに、


私も同じだよ、同じこと思ってたよって





そう、言いたいのに








上手く言えなくて



言葉にならない気持ちが、涙になって溢れた。









『…………仕事のこと、気にしてる？』

「…………」

『……うん、そっか。せやんな、』

「…………」

『…………わかった。』

「…………」

『……でもな、』









私の目から溢れる涙を、優しく拭ってくれて









『…………気にせんでええから、なんも。』









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『………おいで、？』






そう言って、



少し遠慮がちに、優しく笑って





両手を広げた









.









.









私のことを、全部包み込んでくれるみたいな



そんな、優しさに、あたたかさに









もう、気にするのはやめよう。


素直になろう。





甘えよう、って





そんな気持ちになっちゃうから


…………すごいなあ。変わってない、ほんとに。









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迷わずに、飛び込むと









『…………良かった、来てくれたあ。』




と、耳元で照れたような声が聞こえて

ぎゅーっと、抱きしめられた。









安心する、落ち着く

懐かしい香りで、いっぱいで





でも、あの頃よりも大きくて

たくましくて、それだけ時間が経ったんだなあって









抱きしめられれば、抱きしめられるほど


いろんな思いを感じて、愛おしくなった。





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