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｢バレンタインカードをくれた人達のほうが、マシなんじゃないかと考えてたところよ｣
｢･･･あんだけ爆笑してたヤツにカード渡そうと思うか？｣
｢あれは･･･ロックハートのやり過ぎが面白かっただけよ。私がもらったカードはちゃんと全部読んだわ｣
｢正気か？誰からも分からないカードをあれだけ全部読んだのか？｣
｢･･･あなたのを待ってたのよ｣
じっとAの瞳に見つめられて、フレッドは降参して鼻を鳴らした後にポケットから小箱を取り出すとAの手のひらに乗せた。
｢言っとくけど、カードは書いてないぞ｣
可愛らしいピンク色の小箱を開けると、中には見覚えのあるハート型のチョコが2粒入っていた。
｢･･･これ、夕食の時に食べたわ｣
｢箱は俺が用意して、俺が入れた｣
｢開き直ったわね｣
夕食のデザートに出たチョコレートをそのまま入れたことを怒られるかと思っていたフレッドだったが、その心配は無用だったようでAは楽しそうに箱の中のチョコレートを見ている。
その隙に杖を抜き、呪文を唱えるとバラの花を1輪出した。
｢こんなことするの初めてなんだぞ｣
｢素敵よ｣
小箱を膝の上に置いたAにバラを渡すと、その香りを確かめるAの仕草を見て、照れ隠しで顔をしかめていたフレッドの表情も自然と緩む。
｢来年はちゃんとする｣
｢もらったけど？｣
｢待たせない、って言ってるんだよ｣
少し不機嫌そうに言うフレッドがおかしくてAは笑った。
｢フクロウ小屋の呪文かけ直そうかな｣
｢どうして？今度は本当に怒られるわよ？｣
｢あんな数のカードが届くなんて思ってなかった･･･｣
｢別にフレッドが気にしなくてもいいじゃない｣
独り言のつもりだったがAに拾われて、フレッドは長い息を吐く。
呪文がないことによって、Aにバレンタインカードが届くのは想定内だったが想像を遥かに超えてきたその数が問題だった。
自分の彼女がモテるのが嬉しいような、人の彼女に何を送ってくれるんだという気持ちがせめぎ合う。
｢想像してみろ、逆だったら？｣
｢･･･びっくりするくらいに嫌だわ｣
｢だろ？｣
たっぷりの間を置いて口を開いたAの答えに密かにフレッドは安心した。
気にしないなんて言われたらしばらく立ち直れそうにもない。
｢けど、私が欲しいのはフレッドからのバレンタインだけなのよ｣
Aはチョコレートを1粒取ってから微笑んだ。
20211022
EMMA WAHLIN
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しらたまコ(プロフ) - ももさん» すごく嬉しいお言葉ありがとうございます😭💓ですよね！ハッピーエンドがいいですよね😂きっとそうなります！ (2021年10月31日 19時) (
レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - フレッド夢はあまり見ないので楽しく読ませてもらってます！続きが楽しみです🥰できれば、ハッピーエンド希望です😢 (2021年10月24日 22時) (レス) id: b1f2f46f6f (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます！フレッド夢って数少ないんですか…!?今のところ週1更新の予定なので…待ってていただければ嬉しいです！ (2021年10月21日 1時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 数少ないフレッドの夢小説の中でもめちゃめちゃ好きです、、 続きが楽しみです (2021年10月18日 0時) (レス) @page3 id: 532f7d93b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2021年10月17日 20時
