�� ページ20
.
部屋に入ると、Aはそのままバルコニーに出て手すりに寄りかかった。
｢やっと声が聞けたよ｣
｢うん、すごい、夢みたい｣
｢な！マグルの電話すげぇ！｣
Aの感動とは別の感動に楽しそうなフレッドの笑い声が耳に心地いい。
｢去年の夏に親父がハリーから電話のかけ方教えてもらってたんだ。親父のマグル製品もたまには役に立つよな｣
｢電話番号教えてないわ｣
｢ロンがグレンジャーに聞いて、それを聞いた｣
｢なるほどね｣
クスクス笑いながら、Aはエジプト旅行の話を聞いて夏休みの宿題を全部終わらせてあることを伝えると、フレッドからは賞賛と溜め息をもらった。
｢あと変身術が残ってるんだけどさぁ、マクゴナガルも容赦ない量を出すよなぁ｣
｢旅行先でやればよかったのに｣
｢バカンス中に勉強するほどバカじゃない｣
｢でもエジプトに行くまでに他は片付けてたんでしょう？フレッドはやれば出来るのよ、すごいわ｣
心からの言葉を送ると、さっきとは違う溜め息が聞こえる。
｢ねぇ、なんでそんなに嬉しくなるようなこと言ってくれるわけ？｣
｢本当のことだもの。ちゃんとやれば出来る、って知ってる｣
｢あぁ、もう。分かった、ちゃんとやるよ｣
言葉とは裏腹にフレッドも小さな笑いを漏らす。
Aは聞こうと思っていたことを思い出して、少し戸惑いながら口を開いた。
｢ねぇ、パパと電話で何を話したの？｣
｢特に何も･･･。話したってか、聞かれたことに答えただけなんだけど･･･｣
歯切れの悪くなったフレッドにAは何となく父親の言ったことが分かったような気がする。
｢お前はうちの娘とキスしてたヤツか？｣
｢完璧だ！そうです、って言ったらガチャンって切られた｣
｢あぁ･･･パパったら、ごめんね｣
｢いや、大丈夫。その前に駅のホームですんげぇ睨まれてるからね｣
｢･･･知らなかった｣
｢今度ちゃんと挨拶するよ。･･･聞いてくれればだけど。それで、休みの最終日は漏れ鍋に泊まるんだけどAは来れる？｣
｢どうかなぁ｣
行きたい気持ちは山々だが、トニーが許可するとは到底思えない。
新学期が始まる時には両親揃って駅に行く予定にしてあるので、きっと無理だとAが断るとフレッドは残念そうな声を出した。
｢そうか、しょうがない｣
｢フレッドのこと悪く思われるの嫌だし、今は大人しくしてようと思うの｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 432人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しらたまコ(プロフ) - ももさん» すごく嬉しいお言葉ありがとうございます😭💓ですよね！ハッピーエンドがいいですよね😂きっとそうなります！ (2021年10月31日 19時) (
レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - フレッド夢はあまり見ないので楽しく読ませてもらってます！続きが楽しみです🥰できれば、ハッピーエンド希望です😢 (2021年10月24日 22時) (レス) id: b1f2f46f6f (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます！フレッド夢って数少ないんですか…!?今のところ週1更新の予定なので…待ってていただければ嬉しいです！ (2021年10月21日 1時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 数少ないフレッドの夢小説の中でもめちゃめちゃ好きです、、 続きが楽しみです (2021年10月18日 0時) (レス) @page3 id: 532f7d93b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらたまコ | 作成日時：2021年10月17日 20時
