ピーターの甘やかし方 ページ20
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｢ピーターさんの意地悪！｣
珍しくAが怒っている。
自分よりも前を歩くその背中から、ピーターは不機嫌な空気を感じ取れた。
｢あんなサプライズに感動する女はいないわ！｣
｢でも、会いたかったんだろう？｣
｢どっちでもいいって言った！｣
Aの足が止まって回り込んでみると、おやとピーターは眉を上げた。
両手で握りこぶしを作って、唇を噛み締めるAが泣いている。
見ないでほしいと言うように、Aに顔を逸らされた。
｢泣くほど嫌だった？｣
｢･･･分からない｣
｢嬉しかった？｣
｢嬉しかったけど･･･怖い｣
おいで、とピーターが腕を広げると素直にAが飛び込んでくる。
首元にすり寄るように泣きついてくるAの仕草に、ピーターは満足した。
そのまま抱き上げて廊下を歩くと、時折すれ違う職員達が驚いたふうに見てくる。
中には二度見してくる者もいた。
｢会えたらいいなって、思ってたけど。会ってみたら怖くなった。･･･顔向け出来ない｣
｢自分だけ生きているから？でも、彼も生きているよ？｣
｢でも私は自分で選んだ道だもの。皆を見捨てて生き延びてきた｣
本当は、ピーターにするように抱きつきたかった。
でも、ノーマンを目の前にすると怖くなった。
軽蔑されていたら、嫌われていたら。
でも最後に彼は、頷いてくれた。
もうそれだけでよかった。
この涙は安心の涙なのだ。
ノーマンが生きてた。
それだけで、もういい。
｢もう会いたくない｣
｢分かった｣
空いた手でAの髪を撫でる。
ピーターによく似た、長いプラチナブロンドが指の間を流れていった。
｢あとね、
｢ごめん｣
｢本当に悪趣味｣
｢君がどんな顔を見せるのか気になってね｣
＊＊＊＊
｢作戦は明日の夜実行。変更は無い、いいかい？｣
スミーの言葉にノーマンは頷く。
｢本当にAを連れていくことは出来ませんか？｣
｢･･･諦めたほうがいい。今日会ったなら分かるだろう？彼女がどっち側なのか｣
ノーマンは押し黙る。
確かに、今日の様子からピーター・ラートリーの執着ぶりも垣間見たし、Aを引き込むのは無理かもしれない。
それでも、とノーマンは考えた。
Aは今でも自分を想っていてくれている。
それは勘違いでも、間違いでもないだろう。
20190611
ピーターの変態臭がすごい･･･
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
