大母様と養父 ページ15
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｢明日から農園に派遣します｣
朝食後、グランマにそう言われた。
シスターに昇格したものの、どこに派遣されるでもなく数日間をグランマと一緒に行動していたAは少しホッとした。
本部に行けば鬼が普通にウロウロしているし、張り詰めた空気が胃に悪い。
どこの農園でもいいから、子供達の笑顔を見たかった。
｢その前に貴方にお客様です｣
｢私にですか？｣
｢えぇ、貴方の里親候補ですよ｣
｢･･･仰ってる意味が分からないのですが｣
｢そうですよ。彼女も驚くでしょう｣
部屋の扉を開けて入って来たのは、若い男。
Aに微笑みかけて、握手を求めてきた。
｢私はピーター・ラートリー、ラートリー家の現当主だ｣
｢ラートリー家？｣
｢あぁ。そうだね、いわばコチラの人間の中では1番の権力者だ｣
｢そんな偉い方がなぜ･･･｣
警戒するようなAの視線に気付いて、ピーターは肩をすくめる。
｢本部で彼女といる君を見かけてね。聞けば、GF出身の最年少シスターらしいじゃないか。君が欲しいんだ｣
ピーターの視線が値踏みするように、Aのつま先から頭のてっぺんまで何度か動いた。
悪くない、とピーターが声に出して頷く。
｢私は今、新しい農園を作っている。そこにシスターの君を助手として迎えたい｣
｢ですが、私は飼育監になるためにここにいるのです｣
｢でも君は11歳だ。さすがにまだ子は孕めないだろう？｣
グランマに視線をやっても、目を伏せているだけ。
なるほど、話通り目の前の男はグランマより権限があるのは確かなようだ。
｢君は賢く、
｢貴方の好きなようにしていいのよ｣
やっとグランマが口を開いた。
好きなようにも何も、断れるわけがない。
これは命令と変わらないじゃないか。
｢･･･助手とは何をすれば？｣
｢簡単なことだ。研究の為に君の頭脳を時々貸してほしい。後はそうだね、私の秘書的なことかな｣
｢･･･謹んでお受け致します｣
｢ありがとう、荷物をまとめておいて。30分後に迎えに来る｣
そう言ってピーターが部屋を出て行った後に、グランマを振り返れば、いつもと変わらぬ厳しい顔で座っていた。
｢72194、私の機嫌を損ねないでちょうだいね｣
｢はい、グランマ｣
そうだ。
所詮私は、駒なのだ。
20190609
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
