冷えていく感情 ページ11
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養成学校へ来て3ヶ月ほどたった頃、18人いるシスター候補の上位に数えられるぐらいAは成績を残していた。
当たり前だが、Aは1番年下。
舐められないようにと姿勢を正し、隙を見せまいと姉達の行動にも目を光らせた。
足の引っ張りあいは当たり前で、つい先週も課題を隠されて提出することが出来なかった姉が落第を言い渡されていた。
ここでの落第とは、出荷のことだ。
油断は命取りとなる。
｢ちょっと、あなた｣
廊下を歩いていると、姉に呼び止められた。
｢グランマがあなたを呼んでいたわ｣
｢そうですか、ありがとうございます｣
視線だけで礼をして、Aは再び歩き出す。
その方向はグランマの部屋ではない。
背後から、また呼ばれた。
｢グランマが呼んでるのよ？｣
Aはわざとらしくため息をつき、肩を下げた。
｢グランマはこの時間、会議中のはずです。そんなところへ行けと？｣
｢予定が変わったんじゃない？｣
｢でしたら、教育係の方に確認を取ってきます｣
名前を伺っても？と聞いたところで、姉は舌打ちして踵を返してしまった。
はぁ、とAは息を吐く。
あんな分かりきった嘘をつかなくても。
｢A、立っているだけで人間は情報の塊なの。呼吸や仕草、視線の動きだけでも嘘かどうか見極めれるようになりなさい｣
イザベラの教えを思い出す。
姉の、少し開いた瞳孔と右上に泳いだ視線。
あんなあからさまな態度の嘘に引っかかるほど、Aは愚かではない。
それにAは、明らかにグランマから特別視されていた。
今までに何度も呼ばれたことはあるが、それは全てグランマに頼まれた教育係から、直接連絡が来ていた。
そんなことも知らないで騙しに来た姉に同情する。
恐らく次の出荷は彼女だろうと、Aは思った。
ここ最近、格闘訓練も負けが続いていたし、最年少である自分にも勝てないのだから。
制服を脱ぎ、寝間着に着替えたAは鏡を覗く。
この短期間で、ずいぶん顔つきが変わった気がする。
｢こんな怖い顔、みんなには見せられないな｣
ベッドに入って目を閉じると、いつでもハウスでの日々を思い出せた。
優しかった
特別に大好きだったエマ、ノーマン、レイ。
ハウスでの思い出があればAは強くなれた。
挫けそうな時はノーマンを思い出した。
20190604
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
