愛する君主への協定 ページ26
.
｢初めまして、ってことはないと思うけど名前は知らないでしょう？｣
Aが目覚めた翌日、まだ立ち上がることをヴィンセントに止められたので全員が医務室へと集合した。
ベッドの縁に腰掛けたAの横にノーマン、その隣にザジが立っている。
ヴィンセントを中間にして、シスロとバーバラが険しい顔で立った。
｢Aだろ。知ってる、ってか何でテメーはそっち側なんだよっ！｣
｢ザジはボスが大好きだからだ｣
｢知ってるつーの！アタシも大好きだよ！｣
｢バーバラ黙ってろ｣
ザジの代わりに答えたヴィンセントにバーバラが突っ込む。
進みそうのない会話はシスロが中断させた。
｢俺もバーバラもアンタを覚えてる。なんでココにいるんだよ｣
｢私がノーマンの味方になることを選んだから｣
｢敵じゃない証拠は？｣
｢見せれる証拠なんてないわ｣
｢それじゃあ信じらんねぇな｣
大袈裟にシスロはリアクションを取り、Aの反応を伺う。
毅然とした態度を崩すことなく、Aは口を開いた。
｢あなた達に信じてもらえなくても問題はない。ノーマンが私を信じてくれて、私もノーマンを信じてる。それだけでいい｣
隣に座るノーマンに目をやると、目が合って微笑まれた。
Aも微笑んで頷く。
｢よっし！じゃあオッケーってことで!!俺シスロな｣
｢え？｣
握手を求めてきたシスロに、思わず間抜けな声が出た。
｢さっきまでの警戒は!?｣
｢いやー、今ビビっと来たね！あれだわ、アンタはボスとセットで推せる!!｣
｢元より、アタシらもう反対なんてしちゃいないよ｣
黙っていたバーバラも口を開く。
その表情は穏やかだ。
｢Aが眠ってる間、ボスを見てたんだ。アンタのことに一生懸命でさ。したら、ボスにとってアンタがどんだけ大事か分かんじゃん？｣
｢ま、裏切ったりしたら許さねぇけどな｣
シスロの脅しのような言葉にAは口元だけで笑った。
｢私も。そういう時は容赦しないわ｣
シスロとバーバラの動きが止まる。
あ、これボスと同じタイプのヤバイやつだ。と2人は認識した。
20190615
ランキングが跳ね上がっててビックリしました！
ご閲覧、評価、お気に入り等々ありがとうございます!!
とても嬉しいです(^^)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
