六話 ページ8
昼休み。
自作のお弁当と本をもって屋上まで階段をかけ上がる。
空が見えるところは嫌いじゃない。
なにも考えずに居れるから。
なにも考えずに済むから。
屋上に繋がる少し大きな扉を開ける。
｢わ･･･｣
ブワッ、と吹いてきた風が髪とスカートを揺らす。
今日は風が強い。
まぁ、それでも教室には戻らないけど。
柵に沿って歩いた先にあるお気に入りの場所に座る。
ビュゥゥゥゥゥ、ビュゥゥゥゥゥ、、と耳元で風の音が鳴る。
流石に風、強すぎるかな。
目を細めて空を見上げる。
雲に隠れた太陽の光で視界が白くなる。
｢あ〜････｣
髪を揺らす風が、目に入る陽光が、目に写る町並みが、私の心を少しの間軽くしてくれる。
ふと、上を見た。
給水塔があって、壁には梯子がついている。
あそこも良いかもな。
誰か来てもバレなさそうだし。
登ってみる。
視界が広くなって、眼下の町並みがおもちゃのようだ。
･･･ここから飛び降りれば、楽になれるのかな。
ふと、そう思った。
飛び降りれば、お母様やあずなさま、彩葉さまにも苦しめられずに済むなら。
お母さんとお父さんに逢えるなら。
こんないらない私なんて、いなくなっていいでしょ？
下の道はコンクリート。
ここは五階。
飛び降りれば、幸せになれるなら。
私は迷わず飛び降りるのに。
けど、そんな心の片隅では、
｢誰か私を止めて｣
って、思っているんだ。
｢誰か、助けて｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
秋葉まこ - 雨飴さん» はいっ！お互い頑張りましょう！！ (2017年9月24日 10時) (
レス) id: 5673d41816 (このIDを非表示/違反報告)
雨飴(プロフ) - 「夕霧」さん» コメありがとうございます！ 描写は頑張っていたのでそう言っていただけると嬉しいです！ 自分のペースで頑張りますのでよろしくお願いします！ (2017年9月24日 10時) (レス) id: 91eb9af7ae (このIDを非表示/違反報告)
雨飴(プロフ) - 秋葉まこさん» 早速来てくださったのですか！？ ありがとうございます！ そう言ってもらえて良かったです。秋葉まこさんも頑張って下さいね！ (2017年9月24日 10時) (レス) id: 91eb9af7ae (このIDを非表示/違反報告)
「夕霧」(プロフ) - とても面白かったです！！。読みやすいし、描写もしっかりしていて、あと設定からおもしろいですし。これからも更新頑張って下さい (2017年9月24日 9時) (レス) id: c5d4c961eb (このIDを非表示/違反報告)
秋葉まこ - 自分のペースで頑張ってください！応援してます！！ (2017年9月23日 21時) (レス) id: 5682f31475 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
