恋はまだ愛はもう【四/千/頭/身】

恋愛経験 / ９ ページ9

◤





『え…付き合ってないですよ！笑』



よく聞かれるけど、全くそんなことはなくて。
付き合ってないし好きでもない。
お互い、異性の友達は少なからずいるから。



せ「あいつ童貞やもんな」
粗「いや関係ないやろ笑」
都「バシはチェリーどころか恋すらしないんすよ笑」
粗「おもんないなぁ笑」
せ「石橋って彼女できたことあんの？」
『学生の時にいたらしいです笑』
都「それっきり一度もないみたいな笑」
せ「男やと思えんわ笑」



バシくんいじりに参加する私だけど、実はそんなに強くは言えない。
私も恋愛経験はバシくんほどではないが、あまりない方だ。



都「Aも彼氏とかいないから、似たもの同士ですけどね笑」
『おいっ！何勝手に言ってんの！笑』
粗「あれれ笑」
せ「Aちゃん可愛いのになぁ」
粗「付き合ったことは？」
『２回…だけ、ありますね笑』
都「え、いつ頃？」
『高校の時と大学の時。２回とも相手から告白してくれて、自分も好きになれたんですけど…笑』
せ「…けど？」



彼氏がいた時の過去。
本当は思い出したくないけど、今更何も思わないし。
なんならちょっと笑えるくらい。



『どっちも" 飽きた "って言ってフラれちゃいましたね笑』
粗「ひどっ！えぇ？」
『だからちょっとトラウマ的なとこはあります笑』
せ「男が全員そうってわけじゃないから安心しや笑」
粗「そんなクズ男じゃなかったら…」
『…恋、したいですけどね笑』
都「好きな人できたら教えて」
せ「俺も」
粗「なんでやねん」



" 良い人がいないもんなぁ "と小さく呟く。
ふと携帯に目を落とすと、バシくんからメッセージがきていた。


石橋遼大暇
石橋遼大通話しない?


通話ね…。
今は飲み会だからどうしようもないなぁ。


Aごめん
A霜バラのみんなで飲んでるなう


体にお酒がまわって、文字を打つスピードがいつもより遅くなる。
ちょっと飲みすぎたかな。



都「おーい、A。起きてる？」
『大丈夫大丈夫。…起きてるよ〜』
都「酔ってんじゃん笑」
『…えぇ〜？笑』
都「駄目だ、絶対寝る笑」
『…んー、』
都「俺、Aん家知らないしバシ呼んどくよ」



意識が朦朧とする中、つづちゃんの声だけはしっかり聞こえている。
完全に横になってしまっている体を起こそうと力を入れるが、体は言うことを聞かない。
でも…バシくん来るならいいか、頼っちゃおう。





◣

家まで / １０→←関係 / ８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す