63 ページ34
.
SC「Say the name！」
『SEVENTEEN！カムサハムニダ〜！』
放送が終わり、みんなで控え室に戻る。
その途中でボナに呼ばれ、私はみんなの群れから離れた。
空いていた部屋に2人で入る。
BN「Aさん、手首の怪我どうですか？」
A「痛みは引いたよ。衣装と小道具でなんとか見えないようにしてもらったし、放送も問題ないと思う。私のことを助けてくれて本当にありがとう」
BN「いえ…」
A「ボナ？気分が良くないの？何かあった？」
BN「Aさんにきちんとお伝えしなきゃと思って」
いつもよりずいぶんテンションが低く、ぼーっとしている様子のボナ。
私に伝えるって、何を？
SM「あ、いたいた。こんなところにいたのね2人とも」
A「スミンオンニ？」
SM「ボニ、自分で伝えたいんでしょう？」
早く伝えなさい、とボナを急かすオンニ。
さっきから何を私に伝えようとしてるの？
BN「私、Aさんの担当を外れます」
A「えっ」
SM「まあこの事務所の中にはいるけどね。理由は2人ともよくわかってると思うわ。この子の代わりはもう見つけてあるから」
A「そうなんですか…」
BN「…」
ここで私は止めるべきなのだろうか。
それとも、スミンオンニが見つけてくれた代わりの方に担当してもらうべきなのだろうか。
あの頃はトラブルが起こっただけで、最近は問題なく働いてくれているし、これからも私の担当はボナだと思っていたから、突然のことで私の頭の整理が追いついていない。
それに、ボナは私のことを助けてくれた恩人だし…
私が戸惑っている間にスミンオンニは部屋を出ていき、再び私たちは2人きりになった。
BN「同情ならやめてくださいね」
A「え？」
BN「私は借金を抱えてるけど不幸じゃないし、借金くらい自分でなんとかします」
A「いや、同情とかじゃ、」
BN「それに！あの時Aさんを助けたのは、あの時のお詫びと借金の口止めのためですから。これでチャラにしてくれますよね？」
A「あのことだったら、私の物は返してくれたし、なんとも思ってないけど…」
BN「だったらこれで私を庇う理由なんてないですよね」
そう言って私を突き放すように話すボナ。
ボナがそう望んでいるなら、私に止める権利はない。
いろんなことがあったけれど、この子のおかげで今がある。
その事実はこれからもずっと変わらない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｻｸｻｸﾊﾟﾝﾀﾞ | 作成日時：2023年8月9日 7時
