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傘もささずに外に出る。
雨はあっという間に私の服を濡らした。
昨日の出来事も、ボナのことも全部、この雨が洗い流してくれたらいいのに。
そんなこと願ったところで叶わない。
全部、自分で解決するしかないんだ。


ミンギュへの気持ちをなかったことにするか、SEVENTEENを辞めるか。


ミンギュやメンバー、Caratに嫌な思いは絶対にさせたくないし、SEVENTEENの足手まといには絶対なりたくない。

ボナのことだって、私のメイクをする必要がなくなればボナが私たちと一緒に行動することはなくなるし、スミンオンニに負担がかかることもなくなる。
後任のメイクさんなんて探す必要なくなるんだ。

私1人がいなくなれば…


「A!」


どこからか私を呼ぶ声。
振り返ると、私を見つけたのはまた、ミンギュ。
ああ、なんで。
私に駆け寄ってきたミンギュは、強く私を抱きしめる。
力強いなぁ、なんて他人事のような感想を思い浮かべながら、抱きしめ返すこともなくただ突っ立っていた。


MG「なんで傘さしてないの、体すごく冷たいよ」
A「雨に当たりたかったの。色々考えるために頭冷やさなきゃいけなかったから」
MG「色々考える?何を?」
A「…私の、これからのことだよ」
MG「これから?」
A「うん。私、SEVENTEENを、」


言いかけて言葉に詰まる。
言葉よりも先に涙が溢れて止まらない。
ミンギュは何かを察したのか、私を抱きしめる力をもっと強くした。


MG「それ以上は言わないで」
A「っ、でも、」
MG「前にも言ったでしょ。俺がAを守るから。もっと俺を頼って、俺に助けを求めてよ」
A「私はミンギュの負担になりたくないの」
MG「ならないよ。負担だなんて思ったことない」
A「そんなこと、」
MG「俺はAのことが好きだよ」
A「…」
MG「メンバーとして、それから、1人の女の子として、Aのことが好きなんだよ」


それだけじゃダメなの?
そう問いかけてくるミンギュは、私を抱きしめる力を少し緩めて、私の顔を覗き込んだ。
真っ直ぐな眼差しが、私の心を透かす。
もうこれ以上隠すことはできない。
本当は私、


A「私も、ミンギュのことが好き」


やっとちゃんと、私の意思で言えた本音。
ずっと隠すつもりだった心の奥の言葉。
私の言葉を聞いた途端、ミンギュはまた私にキスをする。
私に愛を伝えるように、何度も優しく、大切に。
私もそれに答えるように、ミンギュをぎゅっと抱きしめ返した。

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作者名:サクサクパンダ | 作成日時:2023年8月9日 7時

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