31 ページ2
.
私を見つけた瞬間に駆け寄ってきて、私に抱きつこうとするミンギュ。
慌ててとそれをかわすと、不服そうな顔をする。
そんな顔されたって、ダメなものはダメなんだよ…
諦めたミンギュは少し離れたソファに腰掛けた。
MG「ねえ、最近俺たちのこと避けてるよね?」
A「うん?避けてない、よ…?」
MG「おかしいじゃん。今まで控え室は同じだったでしょ」
痛いところを突いてくるミンギュ。
ミンギュの目は真っ直ぐ私の心を見透かしているみたいで、つい目を逸らしてしまう。
なんでこういう時だけ鋭いの、犬の勘?
というか今部屋に2人きりのこの状況、かなり危険なんじゃない?
A「あー、ミンギュや、向こうの控え室に食べ物あったよね?」
MG「食べ物?お腹空いてるの?」
A「うんー、ちょっと何が置いてあるか気になるから見てきてくれる?」
MG「だったら一緒に見に行こうよ!自分で見れば自分が何を食べたいかわかるでしょ?」
A「いや、うーんと…」
ダメだ、うまく誘導できない。
今すぐミンギュをこの部屋から出て行かせなきゃ、いつボナが戻ってくるかわからないのに。
MG「なんだよ〜、ハッキリしないとAらしくないよ」
A「とにかく!ミンギュ、悪いんだけど部屋から出て行ってくれる?」
MG「なんでそうなるの!Aは俺と一緒にいるのがそんなに嫌?」
嫌じゃない、嫌なわけないんだけどさ。
それは時と場合によるんだよ…
答えを求める真っ直ぐな目。
言いたくないけど、言わなきゃダメだよね…
A「ミンギュと同じ部屋にはいられないの」
MG「…………そっか」
悲しそうな顔で私の目を見るミンギュ。
その目はさっきよりも真っ直ぐで、私は直視できなかった。
ごめんね。ミンギュは何も悪くないのに。
謝っても謝りきれないけれど、本当にごめん。
心の中ですごく謝りながら、シュンと項垂れたミンギュが控え室に戻る背中を、私は見送ることしかできなかった。
1228人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サクサクパンダ | 作成日時:2023年8月9日 7時