向こうの世界の君達へ (ページ3)

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「…なんで泣いてるんだ？」

「…？

アンタ…誰…？」

私の始まりは、彼女の怠惰からだった。

でもこれは最悪の始まりではなかった。

私は生まれてすぐ分かった

私が生まれた理由、

彼女に彼女自身を好きになってもらうこと。

だから、

私はどんな人よりも彼女を好きにならないといけない。

そして成長させなければならない。

生まれてからはすぐ一人として実体化した体に順応した。

私のような例はとても少なく、現実世界で通常の自尊心より大幅に低下した人間に発生するらしい。

元々鏡の世界は自分の理想を具現化した世界なのだが、全ての行動は現実世界に基づくようになっている。

簡単にいうと、現実と鏡は『二人で一つ』ということだ。

しかし、現実世界で自分を否定してしまうと、一つが二人に分かれてしまう。
ついでに、感情も半分になってしまうらしい。

私は私となり、彼女は私ではない。

それを理解するのは簡単だったが、受け入れるのはとても酷なことだった。

私はこんなにも彼女を思っているのに

彼女は私の存在を否定しただなんて。

自分に嫌われる辛さを生まれた瞬間ひしひしと感じた。

彼女を幸せにさせるには、ただ一つ。

また「二人で一つ」に戻ること。

「…」

てか、この体は彼女の望んだ姿ってことか…

結構有利じゃね？これ

「…有効活用すれば…」

早く彼女を幸せにしたい。

なんだか、自分という存在を大きく感じれた。