向こうの世界の君達へ (ページ1)

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風呂からでた肌寒さも、あまり感じなくなった。

この感情のせいだ。

別に親から見放された訳じゃない。

別に虐められた訳でもない。

ただ私は人よりネガティブで人見知りなだけ。

ずっと、この怠惰が抜けない

親から見放された方が、虐められた方が

もっと可能性という光があって楽しい毎日かもしれない。

…不謹慎過ぎる

やっぱり私は最低だな。

本音を吐いて、嘘をついて、これまでの事全部台無しにした。

ふと、鏡を見る。

暗い部屋のなか、一体の人間がいる。

私はずっと、コイツが私だと思えなかった。

自分とは違う人生を歩む他人だと思いたかった。

「…

お前だけは…

…私みたいに…ならないでくれ…」

目の前の同じ動きをする鏡に歯がゆさを感じ、苦しいものが込み上げてきた。

見放す親も、虐める友達もいない私。

いつか、生まれ変わったら

鏡のように、すべて真逆の自分に

「…何で泣いてるんだ？」

「…？」

これが、私が私達になった瞬間だった。