わたがし:としみつ ページ8
「たーだいまー」
ソファに座ってテレビを見ていると、玄関から少し機嫌の良さそうな声が聞こえてくる。
『おかえり、
…アルコールくさい、飲んできたでしょ』
「うん〜」
通りで機嫌が良い訳だ。
しかもいつもより声がワントーン高い。こうなると、極稀に甘えたになる時がある。いやまあ変なこと言いながら泣かれるよりは全然いいんだけど。
『ほら、お風呂できてるから入ってきて。』
「じゃあ一緒にはいろ〜」
んふふ、と笑いながら隣に座って抱き着いてくる。ああなんて面倒なんだ。
『だーめ、あたしもう入ってきたし。』
「いいやん、2回入ったらもっと綺麗になる」
『必要な油分まで取れちゃうからだめなの』
「1日くらい大丈夫だげえ、…」
『女の子にはその一日が命取りなんやってば』
「けちい、」
少し身体を離して、おでこをくっつけてきた。これがなんともキュンとくるん。しかもめっちゃニコニコやんこいつ。
『…機嫌良すぎ』
「ん、悪い方が好き?」
『いや、悪いよりはそりゃ良いけど…』
「A、最近好きって言ってくれんやん」
それはそっちだろうが、って言ってやりたい。最近倦怠期なんじゃないかと少し焦っていたのに今日は物凄くベタベタしてくる。
『駄々こねてお風呂入らん酔っ払いは好きじゃない』
あたしの目の前から彼の顔が消えたと思えば耳元で呼吸が聞こえてくる。
「俺Aの事めっちゃ好き。ちょー好きだよ」
久しぶりに彼の口から聞いた言葉。ふわふわした彼から消えてなくなってしまいそうな甘い声で甘い甘い言葉を囁かれ、あたしはもうとろけてしまいそう。
「A、は?」
『好きじゃない訳ない、でしょ』
「んふふ、笑」
『もー、離れて、』
「このまましてやろうかや」
『先お風呂入って』
「風呂入ったらいいん?」
『もーいいから早くお風呂入って!』
「はいはい、笑」
2回ほど口付けて脱衣所へ入って行った彼。キスをしたのも久しぶりで少しの間ぼーっと頭の回転が止まる。
あ、着替えとバスタオル持っていってあげなきゃな。
ふわふわしてて、甘くて、口の中に入れた途端溶けてしまうわたがし。もっと楽しませてほしいともどかしくなって、何度も口へと運ぶ。
ふわふわした彼、甘い雰囲気に溶けてしまいそうなあたし。
そういえば彼の名前もあまり呼んでいなかった。
今日はいっぱい甘えて甘やかそう。
このあと、どうなるかなんてわかってるけど物凄く楽しみになってきた。
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しんちゃれら(プロフ) - 両片想いがいいです!!楽しみにお待ちしてます〜!! (2018年4月22日 2時) (レス) id: 15c8650888 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - しんちゃれらさん» ありがとうございます!としみつとは付き合っているor両片想いどちらでしょうか?? (2018年4月21日 18時) (レス) id: 1769f34929 (このIDを非表示/違反報告)
しんちゃれら(プロフ) - はじめまして!楽しく読ませてもらってます!リクエストなのですが、としみつからギターを教わる感じのお話が読みたいです。お暇な時に書いていただけたら嬉しいです!!これからも更新頑張ってください! (2018年4月21日 16時) (レス) id: 15c8650888 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - はらさん» すみませんでした!!新作作るときよくやってしまうんです……ありがとうございます! (2018年4月20日 17時) (レス) id: 1769f34929 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年4月18日 22時) (レス) id: 40acaaaa61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃ x他2人 | 作成日時:2018年4月18日 22時