8話 ページ8
『ねぇ待って！何がどうしてこうなってる訳？せめて理由を教えてよ！』
ショッピの腕の中でジタバタと暴れて話を聞いてもらおうと試みる
syp｢Aさん、いい子ですから落ち着いて下さい。｣
そう言ってよしよしと言いながら私の頭を撫でるショッピ
この瞬間私は察した
今のショッピには何を言っても無駄だという事を
『っ大先生〜！どうなってるの！！』
ut｢Aちゃん。あんな、Aちゃんに出た薬の症状は身長が縮んだっていうよりも……若返った、の方が正しいと思う。…………多分……15歳くらいは……。｣
『…………………っは〜〜〜。』
なるほど
『なるほどね……。おっけ、ありがとう。完全に理解したわ。』
15歳ほど若返った
つまり私の見た目は今10歳程度という事
そのせいで女児がストライクゾーンど真ん中のショッピに目をつけられてしまったという事か
中身が私だと分かっていてもこれとは
『見境無しか。』
syp｢俺はかわいい子供を保護してるだけです。｣
ut｢もう子供って言うとるやん。Aちゃんやぞ。｣
syp｢っていうかはよどいて下さいよ。Aさんとケーキ食べに行くんで。｣
『行かないよ？ロボロのところ行くんだって。』
いつものショッピは一体どこへ行ってしまったのか
本当にさっきまでと同じ人間なのかすら疑いたくなるほどに話が通じていない
ut｢僕はここから動かんぞ。出口はここだけ、僕を倒すにはAちゃんを下ろす必要がある。そしたらその間にどうとでもできるやろうな。｣
確かにそうだ
この部屋にいる限り、ショッピが私を下ろしてさえくれれば私が解毒剤を飲むなりショッピに鎮静剤を打つなりいくらでも手はある
その調子で頑張ってくれ大先生
syp｢………分かりました。そっちがその気なら強硬手段取らせてもらいます。Aさん、じっとしててくださいね。｣
そう言うとショッピはくるりと踵を返し、扉と逆方向に向かって走り出す
ut｢……は？｣
『え、待って嘘でしょ！？』
まさか
そう思った瞬間
ショッピは医務室の窓から外へと飛び出した
三階という高さをものともせず着地するとショッピは走って逃げ始める
ut｢待てショッピィィィ！！！！｣
遠くから大先生の叫ぶ声が聞こえる
大先生にはあの高さは無理だろう
あぁ、どうやら思っていたより大変なことになってしまったようだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
餅之助(プロフ) - まりあさん» 嬉しいコメントありがとうございます！とても励みになります！ゆっくりとではありますが頑張って更新していきますので、楽しんで頂けましたら幸いです！ (2月4日 20時) (
レス) id: 9cabb3db88 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - すごく素敵な文章で読みやすいです。更新頑張ってください！ (2月4日 19時) (レス) id: e29621fb11 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：餅之助 | 作成日時：2024年1月27日 1時
