11話 ページ11
『ロボロ、居る？』
中に居るであろうロボロに聞こえるように、少し声を張って呼びかける
rb｢…………誰や？｣
少しして返ってきた返事はいつもより冷ややかな声で、声の主が私だと気付いていないようだった
肝が冷えるような感覚で少しドキリとする
『Aだよ。今色々あって声が高めになっちゃってるんだけどね。』
顔を見せる前にネタバラシをしてしまっては意味が無い
たとえ敵と疑われたとしても扉さえ開けてもらえればこちらのものだ
『インカムも、その色々の影響でどこかに落としちゃったから証明できるものが何も無いんだけど、スパイとか偽物とかでは無いから安心して。』
rb｢……分かった。今開けるわ。｣
明らかに信じていなさそうな声と何かを手に取るような音がした後、ガチャリと鍵が開く音がする
それを確認した私は一言お礼を言った後、ドアノブに手をかけてめいっぱい引っ張る
装飾が施された分厚いこの扉は小さな体には随分と重たい
子供1人が通れるほどの隙間が出来たところで私は顔を覗かせて声をかける
『よっ、ロボロ！』
その瞬間、敵の間合いから離れるように反射的に後退りをしたロボロは私を見て、目をまん丸にしてフリーズする
片手には短剣
やはり警戒していたようだ
rb｢え、は？A……？いや、え？｣
目の前にいる仲間ににそっくりな容姿をした子供に混乱が隠せないロボロ
まさに私が見たかった反応だ
『んふふ、やったね。ドッキリ大成功だ。』
rb｢え、えっ？……ホンマにAなん？｣
『そうだよ。驚かせてごめんね？』
そう言って両手を合わせながらロボロを見上げる
上目遣いというやつだ
｢………いや、別にええんやけど。｣
そう言ってロボロは顔を背けながら短剣を机の上に置く
rb｢知らん声でAを名乗るからホンマに誰か思ったわ。｣
『薬の効果でね、今10歳くらいなんだよ。声変わり前だから分からなくて当然。でも作戦は上手くいったし満足かな。』
rb｢…まさかとは思うけどこの為だけに薬作ったとか言わんよな？｣
『そのまさかだけど。』
そう答えるとロボロは深いため息をつく
rb｢お前……俺が言うのもなんやけど下手したら怪我してたかもしれんのやぞ！！｣
そう言ってロボロは声を張り上げる
rb｢もっと他の奴と一緒に来るとかあったやろ！！｣
その言葉に私も負けじと言い返す
『扉の前まではショッピも居たんだけど、帰っちゃったんだよ！』
rb｢ショッピだけはアカンやろ！！｣
続く
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餅之助(プロフ) - まりあさん» 嬉しいコメントありがとうございます！とても励みになります！ゆっくりとではありますが頑張って更新していきますので、楽しんで頂けましたら幸いです！ (2月4日 20時) (
レス) id: 9cabb3db88 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - すごく素敵な文章で読みやすいです。更新頑張ってください！ (2月4日 19時) (レス) id: e29621fb11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餅之助 | 作成日時：2024年1月27日 1時
